TikTok経由で日本でも遂に爆発!21世紀のマイケル・ジャクソン=ザ・ウィークエンドを知るための20の事柄

ザ・ウィークエンド(Courtesy of Universal Music)

改めて言うまでもなく、ザ・ウィークエンドことエイベル・テスファイは21世紀屈指のメガポップスター。最新作『アフター・アワーズ』は世界中で記録的な大ヒット。TikTokで彼の曲に火がついたことで、遂に日本でも本格ブレイクの兆しが見えている。今こそが絶好のタイミング。現代の北米メインストリームの最高峰、ザ・ウィークエンドを知ろう。

1:2010年代のポップを定義し、2020年を象徴する存在

ザ・ウィークエンドは2010年代の北米メインストリームポップを定義しただけではなく、早くも2020年代を代表するトップスターの座を手にしている。それは、最新作『アフター・アワーズ』で打ち立てた数々の記録を見れば明らかだろう。

『アフター・アワーズ』は、アメリカで2020年最大の初週売上を記録。ビルボードの総合アルバムチャートでは、初登場から4週連続で1位をキープした。これは、ドレイク『スコーピオン』以来となる約2年ぶりの快挙だ。もちろん本作は、現時点で2020年に世界で最も売れているアルバムでもある。

そして、アルバムに先駆けてリリースされたシングル「ブラインディング・ライツ」は、全米通算4週1位、更には世界23か国で1位を獲得。ザ・ウィークエンドのキャリア最大のメガヒットとなった。

The Weeknd - Blinding Lights



「ブラインディング・ライツ」の80’s風シンセイントロを使ったダンスチャレンジ(日本では通称エアロビチャレンジ)も、TikTokを中心に日本を含む全世界でバイラル。その勢いをさらに加速させている。

2020年6月現在、ザ・ウィークエンドの圧倒的な勢いには誰一人として追いつけていない。疑いようもなく、彼は2020年を象徴するトップスターだ。

 
2:「COVID-19パンデミック」という時代の
サウンドトラックとなった『アフター・アワーズ』

2020年3月以降、COVID-19パンデミックが世界を覆ったことによって、音楽フェスや個々のアーティストのツアーは次々と延期/中止が発表された。それに伴い、アルバムのリリース延期を決めるアーティストも多かったが、ザ・ウィークエンドは敢えて当初の予定通り、パンデミック真っ只中の3月20日にアルバムを送り出している。その理由について、彼はバラエティ誌にて「ファンが待っていたから、届けなくてはならないと感じた」と話している。

「今は音楽ストリーミングが10%落ち込んでいて、店も閉まっていて、コンサートもできない。でもそんなの関係なかった。ファンにとってはこのアルバムがすごく重要なことを俺はわかっていたから。もし俺がいま世界で起こっていることから1時間だけでもみんなを引き離すことができたら、それよりいいことなんてあるかい?」

また、ローリングストーンのアルバムレビューでは、『アフター・アワーズ』はパンデミック下のムードとリンクしていると評価されている。

「ザ・ウィークエンドのトレードマークである荒涼とした心象風景は『アフター・アワーズ』でも健在だ。覆いかぶさるような孤独感は、不安や恐怖を癒すのか、浮き彫りにするのか、あるいは増幅させるのか。それは聴き手の受け取り方次第である。だが、今作が現在の世界を覆うムードと見事にリンクしていることは確かだ」

実際、COVID-19パンデミックの最中に最も聴かれたアルバムである『アフター・アワーズ』は、この奇妙な時代のサウンドトラックとなった。


3:『ビューティー・ビハインド・ザ・マッドネス』のジャケットは
元恋人ベラ・ハディッドが飾る予定だった

アルバム冒頭の「アローン・アゲイン」で、「孤独に耐えきれるかどうかわからない / 1人で眠れる自信がない」と歌われる『アフター・アワーズ』は、元恋人ベラ・ハディッドとの別れが重要なモチーフとなっている。ローリングストーンが評するには、このアルバムは「本物の胸の痛みと孤独が描かれている」「失恋がもたらした心の死亡診断書」だ。

ベラとザ・ウィークエンドの交際が始まったのは2015年4月のこと。その4か月後にザ・ウィークエンドはメジャー二作目のアルバム『ビューティー・ビハインド・ザ・マッドネス』をリリースしているが、実は当初、ベラにアルバムジャケットのモデルを頼んでいたらしい。ローリングストーンのインタビューで、ザ・ウィークエンドはこのように明かしている。

「俺は彼女に、『ビューティー・ビハインド・ザ・マッドネス』のアートワークのモデルになって欲しいって頼んだんだ。ただ彼女と一緒に仕事をしたかったんだよ」

残念ながらベラには断られてしまい、最終的に同作のジャケットにはザ・ウィークエンド本人の顔写真が使われている。

The Weeknd – Beauty Behind The Madness



Translated by Masaaki Yoshida

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