N.W.Aの警察への暴力を歌った名曲、ストリーミング再生回数が急増

ジョージ・フロイドさん暴行死を機にN.W.Aの「Fuck Tha Police」の再生回数が急増。 Stefan Jeremiah/Shutterstock

ジョージ・フロイドさん暴行死を機に、N.W.Aの「Fu-k Tha Police」、チャイルディッシュ・ガンビーノの「This Is America」、YGの「FDT」、ケンドリック・ラマーの「Alright」などのストリーミング再生回数が急増した。

警察暴力への反対を歌ったN.W.Aの1988年の名曲「Fu-k Tha Police」は、チャイルディッシュ・ガンビーノの「This Is America」、YGの「FDT(Fu-k Donald Trump)」、ケンドリック・ラマーの「Alright」をはじめ、数多くあるプロテスト・ソングのひとつだ。ジョージ・フロイドさんが米ミネソタ州ミネアポリスの元警官の暴行がきっかけで亡くなってから1週間以上が経ったいまも警察暴力に対する抗議デモの嵐が全米で吹き荒れるなか、これらの楽曲はここ数週間でストリーミング再生回数を伸ばしている。

全米で起きている抗議デモのアンセムでもある「Fu-k Tha Police」の5月27日から6月1日にかけてのオンデマンド型音楽ストリーミングの再生回数は、米ローリングストーン誌の音楽チャートにデータを提供しているAlpha Data社によるとフロイドさんの死の前の5日間と比較して272%増加した。同楽曲は5月31日(日曜日)と6月1日(月曜日)に再生回数を顕著に伸ばしており、2日間で76万5000というストリーミング回数を記録した。これは、抗議活動がはじまる前の日曜と月曜日の数値と比較して5倍近い増加だ。同楽曲は、2014年にミズーリ州ファーガソンで黒人少年マイケル・ブラウンさんが射殺された1年後の2015年8月に同じように急浮上したことがあるものの、2015年当時の日曜と月曜日のそれぞれのストリーミング再生回数の増加率は2倍にとどまった。

その一方、チャイルディッシュ・ガンビーノの「This Is America」はここ数カ月にわたってTikTokを席巻し続けてきた。アマド・オーブリーさん射殺事件の加害者の元警官が起訴されたのをきっかけに、ティーンエイジャーが人種的不平等を訴える際にサウンドトラックとして同楽曲を使用したのが発端だ。2018年のガンビーノの楽曲は「Fu-k Tha Police」と同期間で比較すると、149%と急増した。同じく、ケンドリック・ラマーの「Alright」(71%アップ)、パブリック・エネミーの「Fight the Power」(89%アップ))、ディアンジェロ&ザ・ヴァンガードの「The Charade」(122%アップ))、キラー・マイクの「Don’t Die」(542%アップ))、ビヨンセの「Freedom」(70%アップ))などの楽曲の再生回数が伸びを見せた。



さらには、ジェームス・ブラウンの「Say It Loud — I’m Black and I’m Proud」をはじめとする何十年も昔の楽曲のストリーミング再生回数も急増している。同楽曲が455%と大きな伸びを見せる一方、ニーナ・シモンの「I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free」の再生回数も34%増加した。

「Fu-k Tha Police」のリリースから20年近くが経ち、それでも丸腰の黒人男性が相次いで警官に殺されることへの感想を訊かれたN.W.Aのアイス・キューブは、2016年にローリングストーン誌のインタビューで次のように答えた。「黒人みたいな気分になる。いつものように、そんな気分になるんだ。黒人として振り返ってみると、俺たちはまるで敵のように扱われてきた。ほんとサイテーだ」。

・N.W.A『ストレイト・アウタ・コンプトン』: 知られざる12の事実

Translated by Shoko Natori

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