PassCode大上陽奈子が語る、「自信」を手に入れるために今すべきこと

鍛えるべきはメンタル

―何年か前、ライブ中にオートチューンで大きく音を外すことを気にしていて、「そんなこと気にする必要ないよ」とPAの方から言われたという話をしていましたけど、その後はいかがですか。

そこに関しては心配なくなってきたと思います。「外れるときは外れるし!」って思っといたほうが意外と外れへんってこともわかって。「外れたな……」って思っちゃうと余計に不安定になっちゃうから、気にしやんほうがいいなと思ってます。

―それって気持ちの持ち方ひとつなんじゃないですか。

そうですね、メンタルの問題かもしれないです。鍛えるべきなのはメンタルなのかも。

―技術を追い求めることに終わりはないと思うんですけど、大事なのはそこだけじゃなくて、ステージに立つ上での心の持ち方をどう変えていくかっていうことも重要なのかもしれないですね。

今の自粛期間はそういう部分を鍛えるにもいいタイミングなのかもしれないですね。

―ところで、前回のツアー「PassCode CLARITY Plus Tour 19-20」はどうだったんですか。

正直、忘れかけてるんですけど……。

―はやっ!(笑)

でも、ここ最近では一番スムーズなツアーだったと思います。やりにくい部分が少なかった分、技術面についていろいろ考えられるようになりました。TONIGHT! Tour(PassCode Taking you out TONIGHT!Tour 2018)ぐらいまでは技術以前の問題で、ライブが終わってからもパフォーマンスを振り返るというより、ライブとして成り立っているかどうかばかり気にしていたんですけど、今回はPAの佐々木さんとか、バンドメンバー、メンバーとちょっとずつ話し合いができるようになってきたことがこれまでのツアーと違ったと思います。みんなと話す時間が増えたのは大きかったですね。あと、今回のツアーは自分たちのライブ映像を見返す時間がめちゃめちゃ増えました。今までのツアーでも見てはいたんですけど、私は振り付けとか立ち位置の確認しかしてなかったり、曲単位でしか観てないこともあって。でも、今回は「ここがちょっとグダってるな」とか、「MCだらけてるな」みたいに全体を見るようになりました。



―メンバーとはどんな話し合いをしていたんですか。

パフォーマンスとか立ち位置のこともそうですし、MCについて話すことが増えて。TONIGHT! Tourのときは「セットリストのこことここでMCを挟みます。はい、おわり」みたいな感じだったんですけど、今回は「ここのMCはリラックスした感じで話して、最後のMCはしっかり真面目に話そうか」ってやちい(南の愛称)を中心に話ができたんで、ライブ全体の雰囲気も変わってきたのかなとは思います。

―たしかに、MCはだいぶスムーズになってきた感じはしますね。

ああ、よかったです。日によってはグダグダだったりもしたんですけど、気楽にステージで喋れるようになってきたかなって思います。

―ひなさんはMC苦手ですよね。

めっちゃ苦手です! ステージ上で話すっていうのが慣れないし、ステージは歌って踊る場所っていうイメージが強くて。

―ああ、なるほどね。では、前回のツアーに点数をつけるとしたら何点ぐらいですか。

60点ぐらいですね。ファイナルの新木場(Studio Coast)に助けられたっていうか。会場の雰囲気も含めて、新木場が突出してよかったんで。ファイナルがよかったというのはいいことなんですけど、「どこも新木場ぐらい楽しかった」って言われるようなツアーをこれからはできたらなって思います。

―じゃあ、新木場がなかったらもっと点数が低かったっていうことですか。

そうですね。あと、新木場のあとにあったZepp Nagoyaでの追加公演のあとにバックバンドのメンバーにめっちゃ怒られたことも大きいのかもしれない。

【画像】PassCodeアーティスト写真(2点)

―たしかに、あのときのライブはそんなによくなかったです。新木場で燃え尽きた感じが伝わってきました。

ああ……。バンドメンバーからも「気ぃ抜けてるようにしか見えなかった」って言われました。そういうところにもメンタルの弱さが出てますよね。ファイナルは思い出の新木場2デイズだったし、ファンの方も「絶対成功させるぞ!」っていう気持ちを持っていてくれたのでいいライブができたんですけど、気づかないうちにそこで気持ちが緩んじゃってたのかもしれない。

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