海外で話題の「ドライブインフェス」って儲かるの? 主催者に直撃

1回のコンサートでは300台が限界だと考えている

フロリダのドライブイン・コンサートをオーガナイズした1/ST LIVEの業務執行社員ジミー・ヴァーガスは、同社がアメリカ国内にドライブイン・コンサートを広げていく計画を立てていると言う。1/ST LIVEの親会社である北米のエンターテインメントと不動産を扱うストロナック・グループは、国内に多数の競馬場を持っているため使用できる不動産が有り余っている状態で、制度的な問題がなければ、競馬場のあるサンフランシスコやロサンゼルでもドライブイン・コンサートを広げていきたいと考えているのだ。ファースト・レスポンダーのためのD-NiceのDJコンサートは無料だったが今後のコンサートでは有料チケットを発売したいと、ヴァーガスは語る。

しかし、ヴァーガスは1回のコンサートでは300台が限界だと考えている。この台数を超えるとカーラジオでコンサート音源を聞いているのと変わらないと言う。コンサートらしさを感じるには他の車で視界が遮断されてはいけないのだ。ただし、これだと1回のコンサートの収益が少なくなる。各種小売業者および飲食業者とのスポンサーシップやパートナーシップによって利益を得る方法も考えられるが、これは普通のコンサートから収益を得るよりも大きなチャレンジとなる。「アーティストとファンの期待をどのように扱うかがカギになる。まだ完全に実現していないが、今やっていることがそれに最も近い形だ」とヴァーガス。

これはパンデミックで輝きが損なわれつつある夏の楽しみを実現する画期的なアイデアだろう。ライブ・ミュージックにチャンスを与える希望として、また2020年の収入激減期を救う措置として、ドライブインでパフォーマンスを行なうトレンドがアメリカ国内で急速に広がっており、今後もドライブイン・コンサートが多数発表されるはずだ。ただし、これは利益率の高い商品ではないし、高い利益を期待することも間違っている。ローリングストーン誌が話を聞いたアーティスト、会場オーナー、イベント・オーガナイザーは、これはファンが安心して外出して、コンサートを安全に楽しむきっかけにすぎないと口を揃える。上手く行けば利益が少し生まれるだけだろう、と。

Translated by Miki Nakayama

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE