東方神起、ポストコロナの新しいライブのあり方を提示

オンラインライブ中の東方神起

今年、日本デビュー15周年という大きな節目を迎える東方神起が5月24日、ライブストリーミングサービス「V LIVE」が提供する世界初のオンライン専用ライブ「Beyond Live」で2時間に渡りライブを配信した。

このオンラインライブを世界各国のファンが同時視聴、ライブ終了時にはおよそ2億をこえるハートが集まった。

【画像】メンバーも「第4次産業革命」と表現した画期的なライブの模様(写真10点)

「Beyond Live」とは、無観客の会場でライブを行い、配信する新しい形のライブコンテンツ配信システムで、これまで4月26日のSuper Mの公演を皮切りに、WayV、NCT DREAM、NCT127と、SMエンターテインメント所属アーティストのライブを毎週日曜15時に「V LIVE」アプリを介して配信を行っている。これまで世界中のアーティストが過去のライブ映像や自宅での演奏風景を無料配信する試みをしてきたが、この「Beyond Live」は通常のライブと同じように、会場を設営し、普段のライブとほぼ変わらない質と量のセットリストを用意、その公演を有料(「V LIVE」アプリ内にて1500ポイントで購入可能)で提供するというシステムになっている。

無観客での公演のため、客席にはペンライトが置かれ、パフォーマンス時以外はステージの背景にライブを視聴している観客たち(抽選)のモニターがずらりと映されるのも特徴。ライブ視聴者が書き込むコメントはアーティストがリアルタイムで読めるようになっており、ある意味リアルなライブよりも身近な距離感が楽しめる。MCの代わりに、抽選で選ばれた数名がアーティストに直接、質問できるコーナーもあり、世界中のファンとコミュニケーションしようという気持ちが伺えるのもファンにとってはありがたい。臨場感こそ生のライブにはかなわないものの、同じライブを全世界のファンが同時に観られるという興奮、そして「自宅が最前列になる」という謳い文句のとおり、歌い踊る彼らの汗すらも見て取ることができる距離でライブを視聴するというのは、これからの新しいライブの楽しみ方とも言える。

一方、制作側からすれば、ツアーを回って複数の公演をするのではなく、一度の公演で全世界のファンに観てもらえるというのは大きなメリットだ。コロナによって公演ができない今、生のライブの代替としてより多くの観客を集めているというのはもちろんあるだろうけれど、コロナが収束した後も、このオンライン配信で培った経験を生かしてライブ配信を積極的に行っていくことで、直接行くことのできない国や地域のファンにもライブを届けることができる。これまで以上に全世界にアピールできるツールとなっていくだろう。現状、コロナが落ち着くまでにはまだまだかかりそうな気配もあり、今年はKカルチャーの祭典「KCON」もYouTubeでオンライン配信することが発表されている。今後、こうしたオンラインでのライブ配信は増えていくだろうが、その先鞭をつけた「Beyond Live」は現時点でもっとも成功しているライブコンテンツと言える。

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