日本のポップミュージックそのものが松田聖子なのではないか? 1990〜テン年代の10曲



「J-POP LEGEND FORUM」松田聖子特集Part4、今年がデビュー40周年の松田聖子さんの軌跡を辿る一ヶ月。今週はPart4、1996年の「あなたに会いたくて」から2020年の「SWEET MEMORIES ~甘い記憶~」まで辿ってみました。流れているのはこの番組のテーマ竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。実は、40年間、1980年台の半ばにたった1回だけインタビューしたことがあるんですよ。ニューミュージック系のアーティストに曲を頼み始めた時に「GB」っていう音楽雑誌でインタビューを頼まれたんですね。お会いした時に、「え、こういう人だったのか」って思ったことがあります。アイドルですから、大体マネージャーとかレコード会社の人が先に入ってきてその後に本人が来るんです。マネージャーの人が本人を紹介するんですが、インタビューの場所に最初に入ってきたのは聖子さんでした。肩で風を切って入ってきて「よろしくお願いします」。「え、こういう人なの?」と思った記憶がありました。自分の意思でずっと生きてきた人なんだなっていうのを改めて思っております。でもライブは観たことがないんですね。そんな人間が一ヶ月辿るということで、俺でいいのかなと思いながらお送りしたわけですが。J-popと呼ばれている音楽の要素、ほとんど彼女の中にあります。もうクラシック、洋楽、ジャズ、クラブミュージックもいろんなリズムの音楽も全部あります。演歌はないです。日本のポップミュージックそのものが松田聖子なんじゃないかと思ったりもしておりますね。大人のシンガーになるとかアイドルと呼ばれるのを嫌がるとか、いろんな変化がありますが。でも彼女はアイドルでいいって言っているこの凄さ。これを僕らは受け止めなきゃいけない。なんてったってアイドルと歌ったあの人は音楽から離れました。ずっと音楽でやり続けている、こんなに音楽的な女性はいないんではないかということが、40周年の感想であります。次のアルバム、楽しみにしましょう。


2015年にリリースされたオールタイム・ベストアルバム「We Love SEIKO」のブックレットを手にした田家秀樹



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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