クラフトワーク「電卓」から発見したJBのファンク 鳥居真道が徹底考察

アウトバーンのジャケに鳥居真道の字面をひっかけたパロディ画像

ファンクやソウルのリズムを取り入れたビートに、等身大で耳に引っかかる歌詞を載せて歌う4人組ロックバンド、トリプルファイヤーの音楽ブレインであるギタリスト・鳥居真道による連載「モヤモヤリズム考 − パンツの中の蟻を探して」。前回のヴルフペックの「Cory Wong」(ライブ・バージョン)の考察に続き、第12回となる今回はクラフトワークの楽曲「電卓(Pocket Calculator)」とファンクのリズムの関連性を徹底考察する。

先日、クラフトワークの創設メンバーの一人、フローリアン・シュナイダーがお亡くなりになりました。今回はクラフトワークの音楽から天啓のようなものを受け取ったときのことを書いていきたいと思います。「クラフトワークの音楽を徹底考察」といった趣向ではなく、大袈裟に言えば「我は如何にして『電卓』によってファンクを発見したか」という公共性に乏しいパーソナルな体験談となりますので、悪しからず…



ある日、「電卓(Pocket Calculator)」を聴いているときに、「これってJB(ジェームス・ブラウン)と同じじゃね?」という閃きがありました。さらに「あ、ファンクってそういうことか!」というある種のユリイカ状態が訪れました。そこからファンクに対する観方、聴き方が変り、さらには音楽の聴き方さえも変わっていきました。このときに感じた「あ、ファンクってそういうことか!」という思いにおける「そういうこと」とはどういうことなのかといったことをきちんと言語化せずにいましたが、この機会に言語化してみようという試みであります。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE