マインクラフトでバーチャル音楽フェス開催、チケット収益は主催者とアーティストで分配

マインクラフトで開催されるバーチャルフェスにディプロ、A-トラック、アバヴ&ビヨンド、TOKiMONSTAをはじめとするアーティストの出演が発表されている(Photo by Rave Family)

トラヴィス・スコットがバトルロイヤルゲーム「フォートナイト」で繰り広げたライブから1カ月も経たないうちに、音楽業界はゲームを取り入れた新しい試みを数々展開している。その最新の例がオンラインゲーム「マインクラフト」を舞台に300人以上のアーティストが出演するバーチャル・フェス「Electric Blockaloo」だ。

6月25〜28日に行われるこのフェスにディプロ、A-トラック、アバヴ&ビヨンド、TOKiMONSTAをはじめとするアーティストの出演が発表されている。主催のRave Familyによると、来週全アーティストが発表される。

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Electric Blockarooのチケットは7ドル(750円)から30ドル(3230円)。ツアーでそのほとんどを得ているためここ数カ月収入が激減してしまったアーティストたちを支援するために、収益は60/40で分配される。通常、フェスなどへの出演料はあらかじめ決められて金額が支払われるので、アーティストがチケットの売り上げの一部を受け取るのは珍しいとRave Familyは指摘している。

「無限に規模を大きく出来るフェスなら、アーティストの出演料も制限されるべきではないと判断しました」とRave Family創立者ジャッキー・マグワイア氏はローリングストーン誌に語る。「かなりの大物アーティストになってくると、中には分配が行われる場合もあります。とあるマネージャーから、出演が決定していた(中止となった)フェスの分配律をつい先日交渉したと聞きましたが、そのような例はこれ以外に聞いたことありません。アーティストが自分たちでフェスを開催するようになった理由にはこれもあると思います」

テクノロジー専門ニュースサイトPC Mag調べで1億7500万本を売り上げ、世界で最も売れたゲームであるマインクラフトの1億1200万人の月間アクティブユーザーの誰もがモバイル端末、パソコン、プレイステーション、Xbox、Nintendo Switch、VR機器のどれからもElectric Blockarooに参加出来る。マインクラフトユーザーでない人には限定URLやコードが送られ、そこから「Rave Familyクラブ」サイトにアクセスし、一般やVIPチケットを購入することが出来る。

TechCrunchハッカソンで初めて優勝した女性のみのチームのCEOでもあるマグワイア氏は、バーチャル・フェスは従来のフェスより環境に優しい点も重要であると考えている。そのためチケットの売り上げの一部は、2025年までに音楽フェスでの使い捨てプラスチック使用の廃止を目標に掲げる団体Bye Bye Plasticに寄付される。

EDCやElectric Forestなど、ダンスミュージック・イベント界の数々のビッグネームたちと協働して来たRave Familyは何年も前からテクノロジーとコンサート会場を融合する方法を考えて来た。

「2018年に、OculusにEDCのステージや、フェス会場の地図をVRで作ろうと企画を提案したことがあります」とマグワイア氏。「最近までマインクラフトを使うことは考えていませんでした。今回のパンデミックで一番変わったのは、新しい、革新的なことに挑戦したいという業界の意欲だと思います。」

他のゲームとの協働にも間違いなく前向きである姿勢を見せる一方、「多くのゲームはユーザーに高度なスキルを要求します」とマグワイア氏は説明する。「我々がマインクラフトの気に入っている点は誰でもゲーム内で創造出来るところです」

【動画】「フォートナイト」で配信されたトラヴィス・スコットの超絶ライブ

Translated by Mika Uchibori

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