ノラ・ジョーンズが語る新しい挑戦、母親としての役割、孤独感を癒す音楽の力

パーソナルな視点から紡がれた収録曲

ーパーソナルとは具体的にどういったことを指すのでしょうか。曲たちを繋ぎ合わせたテーマについて詳しく聞かせてください。

ノラ:多くの曲はとても個人的な体験を書いた曲なのだけれど、同時に、世の中で起こっていることにインスピレーションを受けて書いた曲でもある。ものごとをとても個人的に受け止めたりもしているけど、視点としては、自分のこと、子供達のこと、家族のこと、他の人達のことや、人間のこと全般的に考えたりしながら、書いた作品。みんな人間であり、いろいろなことを経験する。みんな波があり、いいときもあれば悪いときもある。そういうものよね。そういったいろいろな事柄を曲にしたかったの。

ー失恋など困難に直面している曲がありますが、その時の気分や実体験が歌詞に反映されることはありますか?

ノラ:もちろんよ。多くの人達はそうやって曲を書くと思うの。事実を誇張させたりすることもあるけど、周りの人達が体験していることを歌にしたり。


「Were You Watching?」は失恋を受け止めようとする心の葛藤を歌っている楽曲で、友人で詩人のエミリー・フィスキオと作詞を担当。

ー具体的に今回のアルバムで自分の気分を直接的に反映した曲があれば教えてください。

ノラ:それは教えられないわね(笑)でも、不思議なことに、この前あるジャーナリストと話をしていて、その人とも曲について話していたの。その人もこれらの曲はとてもパーソナルな曲に感じられる、と言っていて。実は他のアルバムや曲を時に書いた曲ほど個人的じゃないものもいっぱいあるのよね。でも、他の人がそう感じてくれる予想が付かないミステリアスな部分も結構好きで、パーソナルなものかそうじゃないかは、聴き手の想像に任せたいと思う。みんなそれぞれの共感の仕方があると思うのね。

ー聴いていて自分の体験に重なる曲があったりすると、面白いですよね。ちなみに、歌詞はどういったときに思い浮かぶのでしょうか?

ノラ:どの曲もそれぞれのプロセスがあるの。でも、今まで音楽がついていない詩を書いたことなんてなくて、今回はじめての経験だった。詩が先にできて、後になって、音楽をつけたのよね。ものによっては、普通通りの作曲で生まれた曲もある。一つのフレーズが浮かんできて、メロディーラインが浮かび、後でコードをつけていったりね。

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