オバマ氏が卒業式スピーチで語ったトランプ批判の中身

HBUCsのオンライン卒業式のスピーチに参加したバラク・オバマ前大統領

先週16日、オバマ前米大統領は、HBUCs(人種隔離政策時代からある、黒人学生への大学教育を理念に設立された大学群)のオンライン卒業式のスピーチに参加。「何よりも明白になったのは、責任のある立場の人々が、自分たちが何をしているかさえも、分かっていないということだ」と語った。

オバマ前大統領は初めに、コロナウイルスのパンデミックという非日常的に身を置く今年の卒業生に対して、「たとえ今学期の半分がZoomで行われる授業だったとしても、君たちは卒業に至ることができた」、「君たちは自分を誇りに思うべきだ。君たちをサポートしてきた誰もが、君たちを誇りに思っているだろう。両親、祖父母、教授、メンター、叔母、叔父、兄弟、姉妹、従姉妹、又従兄弟…。親戚かどうかもわからないくらい遠い親戚、みんなに感謝の気持ちを見せてあげよう」祝辞を述べた。人生の中でも特別な時を共に過ごしたであろう同級生たちについても気楽にトークをすると、話題を変えた。現在の異常な状況で"アメリカのブラック・コミュニティが歴史的に請け負ってきた苦しみ"が重くなってきていることに触れ、ジョージア州でジョギング中に白人警官によって射殺された25歳の黒人青年Ahmaud Arbery氏にも言及した。

・【動画】オバマ氏が卒業式スピーチでトランプ政権のコロナ対応を痛烈批判

「今は普通の時勢ではない。世界中が悲惨なパンデミックと深刻な不景気の真っ只中という状況で、君たちはどう生きるかと尋ねられている。タイミングが理想的ではない」、「正直に言うと、この新型コロナウイルスは、ブラック・コミュニティがアメリカに於いて歴史的に担ってきた重荷と、目に見えない不平等を明らかにしたと言えるだろう。黒人青年がジョギングをしていれば、それを止めて尋問、答えなければ射殺しても良いと感じている人間がいると知ってしまった。私たちはブラック・コミュニティへCOVID-19による不相応な打撃を目の当たりにしている」。オバマ前大統領はこう述べた。続けて、「こうした不当な扱いは目新しいものではない」、「ただ、"この状況を変えなければいけないという事実"に、君たちや現代の人々が気づいていることがこれまでと違っている。古いやり方は通用しないんだ」とオバマ氏は加えた。

Translated by Kohei Ebina

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