starRoと手島将彦が語る 米国での経験をもとに考える音楽家のメンタルヘルス

Zoomで対談を行なった手島将彦(上)と音楽プロデューサーのstarRo(下)


―手島さんは以前の凛として時雨のドラマーのピエール中野さんとの対談でも、ミュージシャンは自分の辛さを始め、自分が思ったことについて声を上げる事が大事だと語っていらっしゃいましたよね。

手島:政治的なことに限らず、声を上げない人は存在感が薄くなるんですよ。ミュージシャンは音楽で表現して語っているっていう言い方もできるけど、生き方までひっくるめてアートだったりするわけで。その中で、音楽の比重が8割、普段の発言が2割みたいな人もいる。でも、今回みたいなことで黙ってしまうと、彼らのパワーがダウン、地位が下がって消費されうるだけのものになってしまう。外国がすごいわけじゃないですけど、海外で活躍するミュージシャンの話を聞くと、現地では日常の土台に音楽がありますよね。今の日本ではそこがちょっと足りないかもしれない。その土壌をちゃんと作るためにも、政治に限らず、ミュージシャンが発言する事は大事だと思いますよ。

starRo:音楽を作るっていうのは、誰かと会話しているのと本来一緒なんですよ。でも日本ではそう捉えない人も多い。どちらかというと、芸能人っていう前提があって、曲はタレントの一要素みたいに感じる。だからこそ、政治とかその人自身のカラーが出てくると、反応する人もいるのかもしれないですね。普段から表現する文化がなかったら、音楽も日常にある表現と一緒なんだっていうのも通用しないですよね。音楽が自分の表現なら、政治的な表現とか身の回りの出来事も含めての表現になる。そもそも音楽自身が表現だと思われていないのかもしれないですね。

手島:こう言うと怒られる気がしちゃうんですけど、そういう感じがしちゃうんですよね。

starRo:日本で音楽が浸透していないっていうのは、僕の肌感覚でも間違いないと思う。近所のおばちゃんが音楽を流しているとか日本だとあまりないじゃないですか。音楽的表現とか政治的表現って本来同じはずなのに、政治はダメみたいになっているのは問題ですね。普段から表現の位置付けがすごく低いということかなと思う。まして、多様性とか意識しだすと、自分を表現しないとどんどん自分が損する。多様性も含めて、今回話したことがこれからどんどん変わっていくと思います。



<リリース情報>

・starRo プロデュース楽曲

SIRUP
「Hopeless Romantic」
リリース日:2020年5月27日(水)

SARA-J & SKIBOI
「Arinomama」
リリース日:2020年5月27日(水)

・starRo Remix作品

9m88
「If I Could (starRo Remix)」
リリース日:2020年5月29日(金)

<書籍情報>




手島将彦
『なぜアーティストは壊れやすいのか? 音楽業界から学ぶカウンセリング入門』

発売元:SW
発売日:2019年9月20日(金)
224ページ ソフトカバー並製
本体定価:1500円(税抜)
https://www.amazon.co.jp/dp/4909877029

本田秀夫(精神科医)コメント
個性的であることが評価される一方で、産業として成立することも求められるアーティストたち。すぐれた作品を出す一方で、私生活ではさまざまな苦悩を経験する人も多い。この本は、個性を生かしながら生活上の問題の解決をはかるためのカウンセリングについて書かれている。アーティスト/音楽学校教師/産業カウンセラーの顔をもつ手島将彦氏による、説得力のある論考である。

手島将彦
ミュージシャンとしてデビュー後、音楽系専門学校で新人開発を担当。2000年代には年間100本以上のライブを観て、自らマンスリー・ライヴ・イベントを主催し、数々のアーティストを育成・輩出する。また、2016年には『なぜアーティストは生きづらいのか~個性的すぎる才能の活かし方』(リットーミュージック)を精神科医の本田秀夫氏と共著で出版。Amazonの音楽一般分野で1位を獲得するなど、大きな反響を得る。保育士資格保持者であり、産業カウンセラーでもある。

Official HP
https://teshimamasahiko.com/


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