starRoと手島将彦が語る 米国での経験をもとに考える音楽家のメンタルヘルス

Zoomで対談を行なった手島将彦(上)と音楽プロデューサーのstarRo(下)


手島:その人らしくあることを世の中全体が許せれば、互いに足を引っ張ることもないし、無理をすることも減るんじゃないかな。本来は10年かかる変化が、新型コロナウイルス騒動の中で5年ぐらいで変わるかもしれない。自分らしくっていうことを言うと、すごく青臭く捉えるかもしれませんが、これからは自分らしくないと売れるものって作れないと思いますよ。アートに限らず、その人らしいもの、企業らしいものを見直すタイミングに入ってきているんじゃないかな。

starRo:今後は素でいることが一番の差別化だと思うんですよ。奇をてらうということを意図的にやろうとすると、誰かが同じようなことを考えて、他人と違うものにならない。芸能人だって、TVにリモートで出演するときに家の中で素になっていますし、見せ方に気を使うのはどんどん怠くなっていくんじゃないですか? 発信者も見ている方も気が緩んで、素に戻るいい機会だと思うんです。今まで見えていなかった他人との違いを感じられるようになる。コロナウイルス対策や政治についての自分自身の個性や考えに気づいて、SNSでそれぞれの考えを話すわけじゃないですか。分断されているのも含めて、皆同じじゃないんだと気づく時期だと思うんです。

ー今の時代、自分という個を発信できるツール、機会はありますよね。

手島:かつてYouTubeが始まったときに、「全世界の人が自分のTV局を持てる。これで見せ方が変わって、多様で個性的な表現が評価されるようになる」と言われた時期もありました。もちろんここからスターも現れましたけど、全体としては、ほとんどの個の表現は埋もれてしまい、むしろ一部に偏ってしまいました。なぜそうなってしまったかの理由の一つは、僕らがここで話しているような前提として大切なことを無視して、システムだけ広まっていっちゃったからだと思います。新しいものは必ず生まれるし、それによって可能性は広まっていくけど、前提として大切なことに気をつけなければならなくて、逆に気をつけていれば、システムが良い方向へ広がる可能性があるかもってちょっと期待しています。

starRo:僕もそう思います。これから皆が個性を意識し、そこから来る欲求を満たすサービスが出てくることで、市民権を得ていくんでしょうね。もしかすると、メンタルヘルスとか話されるのはそこからかもしれない。実際、アメリカだと、メンタルヘルスの面では日本より10年先に進んでいる気がします。元々多様性っていう文化がある国なので、そうせざるを得なかったのかもしれません。日本もいろいろな国の人がいるのが日常的になっているし、フリーランスやフリーターの人、ライフスタイル含め色々な人がいるんだって皆が意識し始めた。多様性が分かると、異なる人たちをつなげるためにどうするのか? ということで精神的な部分へのフォーカスが出てくるのかなと思います。

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