価値観の似た者同士が集まる危険性 なぜ判断を間違うのか?

また、集団的浅慮は下記のような条件がそろうと発生しやすくなります。

1. 集団凝集性の高さ(集団が誇りを持ち、親密で、士気が高いと、その雰囲気を壊さないために対立する議論を差し控えてしまう)
2. 孤立(外部からのチェックや情報提供が行われないと、独りよがりの決定になる)
3. リーダーシップ(強い、時に専制的なリーダーシップのもとで、そのリーダの意に沿わない意見に圧力がかけられ、同調圧力が促される)
4. 問題解決のためのストレス(重大な問題に対する決定には大きなストレスがかかるので、それから早く逃れるために熟慮なく決定してしまい、その決定を合理化するために、その決定の良い面や些事にばかり目を向けて本質的な問題を見過ごす)

この問題を避けるためには、反対意見を表明できる雰囲気をリーダーが作ること、外部の意見を積極的に取り入れることとともに、自分たちの集団が、また、何らかの集団に属している自分が、このような状態に陥る可能性があるということを認識しておくことが大切です。これは、身近な集団や企業活動、そして政府に至るまで、いかなる集団においても起こりうることなのです。

参照
・WONK新作「EYES」全貌明らかに、予約限定盤アートブックはAR仕様
2020. 04.30:https://natalie.mu/music/news/377515
・「目を覚ませ 見つめ続けろ」〜スティングからのメッセージ
サイカルJournal NHK 2019.05.15
https://www.nhk.or.jp/d-navi/sci_cul/2019/05/story/story_190515/
・『グループ・ダイナミックス –集団と群集の心理学』(釘原直樹著 有斐閣)



<書籍情報>




手島将彦
『なぜアーティストは壊れやすいのか? 音楽業界から学ぶカウンセリング入門』

発売元:SW
発売日:2019年9月20日(金)
224ページ ソフトカバー並製
本体定価:1500円(税抜)
https://www.amazon.co.jp/dp/4909877029

本田秀夫(精神科医)コメント
個性的であることが評価される一方で、産業として成立することも求められるアーティストたち。すぐれた作品を出す一方で、私生活ではさまざまな苦悩を経験する人も多い。この本は、個性を生かしながら生活上の問題の解決をはかるためのカウンセリングについて書かれている。アーティスト/音楽学校教師/産業カウンセラーの顔をもつ手島将彦氏による、説得力のある論考である。

手島将彦
ミュージシャンとしてデビュー後、音楽系専門学校で新人開発を担当。2000年代には年間100本以上のライブを観て、自らマンスリー・ライヴ・イベントを主催し、数々のアーティストを育成・輩出する。また、2016年には『なぜアーティストは生きづらいのか~個性的すぎる才能の活かし方』(リットーミュージック)を精神科医の本田秀夫氏と共著で出版。Amazonの音楽一般分野で1位を獲得するなど、大きな反響を得る。保育士資格保持者であり、産業カウンセラーでもある。

Official HP
https://teshimamasahiko.com/


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