ローリングストーン誌が選ぶ、史上最高のアカデミー受賞・ノミネート作品15選

史上最高のアカデミー受賞・ノミネート作品15選(Everett Collection (3))


6-8. 監督賞(1973〜1975年)

『ゴッドファーザーPART II』よりジョン・カザールとアル・パチーノ、1974年(Photo by Everett Collection)

同部門へのノミネート(1973年):イングマール・ベルイマン(叫びとささやき)、ベルナルド・ベルトルッチ(ラスト・タンゴ・イン・パリ)、ウィリアム・フリードキン(エクソシスト)、ジョージ・ロイ・ヒル(スティング—受賞)、ジョージ・ルーカス(アメリカン・グラフィティ)

同部門へのノミネート(1974年):ジョン・カサヴェテス(こわれゆく女)、フランシス・フォード・コッポラ(ゴッドファーザーPART II—受賞)、ボブ・フォッシー(レニー・ブルース)、ロマン・ポランスキー(チャイナタウン)、フランソワ・トリュフォー(映画に愛をこめて アメリカの夜)

同部門へのノミネート(1975年):ロバート・アルトマン(ナッシュビル)、フェデリコ・フェリーニ(フェリーニのアマルコルド)、ミロシュ・フォアマン(カッコーの巣の上で—受賞)、スタンリー・キューブリック(バリー・リンドン)、シドニー・ルメット(狼たちの午後)

映画ファンの皆様、ぜひこの作品ラインナップをご覧になってため息をついてほしい。ニューハリウッドの隆盛の極みを象徴する3年にわたってこれほど見事な作品にオスカーが与えられたのは前代未聞だ。監督賞の候補者リストには、アメリカ映画の“恐るべき子供たち”、ヨーロッパの巨匠、ブロードウェイのスター、新興勢力であるインディペンデント系などが混ざり合い、ベテランはキャリアの最高傑作を、若手は既存のルールを再構築しようと奮闘した。受賞者についてとやかく言うのは結構だが——実際、ジョージ・ロイ・ヒルがイングマール・ベルイマンとウィリアム・フリードキンを破り、誰もが認めるところのフォアマンの名作『カッコーの巣の上で』がロバート・アルトマンのマグナム級『ナッシュビル』を破ったわけだから、アカデミーの判断にケチをつけるべきなのかもしれないけれど——これ以上すばらしいことなんてあり得ない。1年で2作品が作品賞にノミネートされたフランシス・フォード・コッポラのキャリアのなかでも、1974年の『ゴッドファーザーPART II』での監督賞受賞は燦然と輝いている。

9. 作品賞(1974年)

『チャイナタウン』よりジャック・ニコルソン、1974年(Photo by Everett Collection)

同部門へのノミネート:『チャイナタウン』、『カンバセーション…盗聴…』、『ゴッドファーザーPART II—受賞』、『レニー・ブルース』、『タワーリング・インフェルノ』

『チャイナタウン』、『カンバセーション…盗聴…』、『ゴッドファーザーPART II』の3作は、この年の作品賞部門ノミネート作というだけでなく、史上最高の映画のリストに入れてしかるべき作品だ。『カンバセーション…盗聴…』と『ゴッドファーザーPART II』の2作はいずれもフランシス・フォード・コッポラ監督が手がけたものであり、ビートルズ/ボウイ/ウータン・クラン級の天才的な創造力の産物である。『チャイナタウン』は……その名の通りチャイナタウンとしか言いようがない。異端児のユダヤ系アメリカ人コメディアンの生涯を描いたボブ・フォッシー監督、ダスティン・ホフマン主演の『レニー・ブルース』だって忘れてはいけない。『タワーリング・インフェルノ』だけは、ハリウッドがもっともクリエイティブだった時代でもやりすぎが成功の近道であることを教えてくれる。

10. 作品賞(1975年)

『JAWS/ジョーズ』1975年(Photo by Everett Collection)

同部門へのノミネート:『バリー・リンドン』、『狼たちの午後』、『JAWS/ジョーズ』、『ナッシュビル』、『カッコーの巣の上で—受賞』

すべての映画を徹底的にチェックし、本当に最善を尽くしたのだが、これ以上強力な作品賞候補は見当たらない。この5作は、映画史を語る上で避けて通れない監督たちによる正真正銘の名作なのだ。それ以外を挙げるとしたら、アル・パチーノ、ジョン・カザール、ジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャーらの代表作くらいだろうか。『JAWS/ジョーズ』は、大々的なヒットを狙うブロックバスター映画の先駆けかもしれないが、だからと言ってそれを理由にみくびってはいけない。同作は、映画史に名を残すどんな大ヒット作よりもスマートで、控えめで、恐ろしいのだから。このラインナップに勝つには、同作のセリフにもあるように「もっとでかい船が必要だ」。

Translated by Shoko Natori

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