ウイルス感染を目的とした「コロナウイルス・パーティー」の真偽

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「コロナウイルス・パーティー」など存在するのだろうか?

しかし、だからといって前例がないわけではない。「こうした考えは新しいものではありません」と言うのは、シラキューズ大学でコミュニケーション学を教えるジェン・グリジエル助教授。「私も子供の頃、まだ学校で水疱瘡にかかっていない子供たちに早い段階で免疫をつけさせようと、意図的に水疱瘡に感染させる人々の話を聞いたことがあります」(こうした水疱瘡パーティは反ワクチン派の間でもよく耳にする。彼らはコロナウイルスに関しても、積極的に誤った情報を拡散している) 。先月ニューヨーク・タイムズ紙が報じたように、いわゆる「バグチェイシング」にも前例がある。1980年代キューバのゲイの若いホームレスたちは、HIV陽性患者の隔離収容所に入りたいがために、わざとHIVに感染しようとしていたという。

ケンタッキー州では、とある若者グループが州のロックダウンに対抗して、皮肉的な冗談で「コロナウイルス・パーティー」と思しき集会を開いたが、そのうちの1人は、冗談ではなく本当にウイルスに感染した。だが厳密には、意図的に感染しようとしたわけではない。

だがいずれも、致死的な病気に感染するべく大規模な集会が密かに行われているという証拠にはならない。保健当局の中には発言を撤回し始めたところもある。ワシントン州ワラワラ郡の保健局長は、コロナウイルス・パーティーを喚起する声明を発表したと地元新聞で報じられたが、後にこれを訂正し、ニューヨーク・タイムズ紙に郡は「感染者が参加していたパーティーがあったという報告は受けている」ものの、「参加者が望んで感染しようとしていた」証拠はないと語った。

要するに、パーティーに参加して新型コロナウイルスに感染した人はいたが、感染目的でパーティーに参加したわけではなかった――こちらの解釈の方が、話題性には欠けるものの、ずっと真実味がある。だがその時点で、コロナウイルス・パーティーは全国メディアで軽々しく、大々的に報じられていた。ワシントン州保健当局は未だ公式声明及び当初のツイートを修正していない。

ローリングストーン誌に宛てた声明で、保健当局の広報は「ワラワラ地域でのCOVID-19パーティーの報告が正確ではない可能性があることは、州保健局としても留意した方が良いでしょう。遺憾ながら、こうしたパーティーが全米各地で行われているという報告を受けたのは今回が初めてではないのです」。さらに担当者は、「COVID-19パーティーが極めて危険であると、保健局は強く確信している」ことを明確にしたい、と付け加えた。

Translated by Akiko Kato

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