山田健人が語る2010年代「映像表現に希望が持てる未来を」

山田健人が選ぶ、2010年代のベストミュージックビデオ

Bonobo「No Reason (feat. Nick Murphy)」(Dir:オスカー・ハドソン)



国内でも海外でも印象深いMVはいろいろありますが、本当の意味で喰らったなと思ったのはボノボの「No Reason」ですね。楽曲も映像も素晴らしい。緻密に計算してシンプルなMVを作り上げているし、そのために上品な予算のかけ方をしていると思います。世界観の作り方において、たとえばライティングのトーン一つとっても“上品”というのは僕も大事にしているキーワードです。僕は現場でよく「2色まで」と言うんですね。僕の美的感覚として、色数が多い映像を下品に感じてしまうところがあって。カラフルなMVは「STAY TUNE」以降、あまり作ってないかもしれないですね。このビデオをディレクションしたオスカー・ハドソンという監督は上品でシンプルな設計によって制作された作品が多いのですごく好きです。

山田健人
映像作家/ミュージシャン。1992生まれ。東京都出身。独学で映像を学び、2015年よりフリーランスとして活動。SPACE SHOWER TV主催『SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2018』にて、「BEST VIDEO DIRECTOR」を史上最年少で受賞。2019年、水曜日のカンパネラの「かぐや姫」のミュージックビデオで、『第22回文化庁メディア芸術祭』エンターテインメント部門の新人賞を受賞。yahyelのメンバーとして国内外でライブを行う。通称、dutch_tokyo。

Edited by Yukako Yajima

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