なぜ苦しんでいる人をさらに批判するのか?「公正世界仮説」とは

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音楽学校教師で産業カウンセラーの手島将彦が、世界の音楽業界を中心にメンタルヘルスや世の中への捉え方を一考する連載「世界の方が狂っている 〜アーティストを通して考える社会とメンタルヘルス〜」。第25回は苦しんでいる理由を正当化しようとする「公正世界仮説」をテーマに、産業カウンセラーの視点から考察する。

THE BLUE HEARTSの「TRAIN-TRAIN」に「弱い者達が夕暮れ さらに弱い者達をたたく」という有名なフレーズがあります。また、佐藤タイジは「朝焼けのHumanity」で「犠牲者は自己責任らしい」と歌い、最近では感覚ピエロがこのご時世にズバリ「感染源」という曲を発表していますが、その中で「突きつけられた現実はこうです『自己責任』と『自己判断』」と歌っています。



こうした「自己責任論」も含めて「被害者にも落ち度や悪いところがあったに違いない」と考え、被害者を非難するというケースがあります。なぜそのようなことが起きるのか、ということの説明に、社会心理学者のメルビン・ラーナーによって提唱された「公正世界仮説」があります。

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