『攻殻機動隊』が世界・アニメ・サブカルチャーに与えた影響とは?

『攻殻S.A.C.』シリーズは、これら公安9課メンバーそれぞれのヒューマンドラマ要素を盛り込み、いわゆる刑事ドラマ的な描き方を取り入れており、それまでの『攻殻機動隊』の「マニアックで難解なアニメ」というイメージを和らげ、多くのファンを獲得。とは言え、様々な文芸作品の名言や比喩を多用しながら繰り広げられる思想討論や、グリコ・森永事件や三億円事件など現実社会の事件をモチーフとした劇場型犯罪、カメラに映る犯人の顔部分にリアルタイムで「笑い男」と呼ばれるマークを上書きしていく(人物を特定させない)手法、AIロボットがやがて人間同様に死という概念を取り込んでいく物語、高齢化及び少子化が激化していく未来を想定した社会風刺的アプローチ等々、他の追従を許さないセンセーショナルな描写の数々は、明快な設定で簡単に笑って泣ける作品が量産されていく現代アニメシーンにおいて、硬派で異端な存在感を放ち続けた。また、後続のSFアニメや刑事モノ作品にも多大な影響を与え続けている。

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