6:マライア・キャリー「Hero」ニューヨークの911トリビュートコンサートでも本人が熱唱した1993年のバラードは、全米各地の医療従事者に捧げる献歌に生まれ変わった。「そしてヒーローがやってくる/強さを携えて/恐れを振り払えば/きっと生き残れるわ」 楽曲セールスは75%増、ストリーミング件数は170万回を突破した。
7:キャロル・キング「So Far Away」(邦題:去りゆく恋人)「戸口にあなたの顔が現れたらどんなに素敵でしょう/こんなに遠く離れてしまったと考えても仕方がないのに」キングの代表作となったアルバム『つづれおり』の中の1曲。セールスが75%上昇したのもとくに不思議ではない。3月末、キングはこの曲の一節を、
歌詞を変えて歌った動画を公開した。「誰もが同じ場所にとどまらなくてはならないの/戸口にあなたの顔が現れたらどんなに素敵でしょう/今は遠く離れていると考えても仕方がないのに」
8:ザ・ファイヴ・ステアステップス「O-o-h Child」1971年に最初にヒットした時、この心温まるポップ賛歌は戦後や市民権改正後の明るい未来を暗示していた。曲の歌詞――「いつか素敵な日差しのもとを歩きましょう/世界がずっと明るくなったいつの日か」――は、今の世相にもぴったり当てはまる。ニーナ・シモンからダリル・ホール&ジョン・オーツ、カマシ・ワシントンまで、様々な面々がカバーしてきたが、シカゴのソウル一家が歌うオリジナルバージョンのセールスは72%増。ストリーミング総計は320万件にのぼった。