米ジョージア州、太陽を求めビーチに人々が殺到「今週末の人出は1万人になるだろう」

2020年4月25日、新型コロナウイルスのパンデミック中にジョージア州タイビー島のタイビービーチで踊る女性(CHANDAN KHANNA/AFP/Getty Images)

アメリカ南部のジョージア州が部分的に経済封鎖を解いた途端、住民がビーチに殺到し問題になっている。

「封鎖だって?! このビーチは開放されているよ!」と、Instagramに投稿された写真の下に書いてある。

パステル色のバミューダパンツを履いて野球帽を被った男性の背景の広がるのは、米ジョージア州にあるタイビー島の澄み切った青空と茶色の海岸線だ。ここはインスタ映えするビーチとして知られており、ここから24キロほど離れた町サヴァンナの住人や州外の旅行客に人気の島である。

3月にタイビー島のビーチが閉鎖された。そして新型コロナウイルス感染症のパンデミックから2〜3週間が経過し、ブライアン・ケンプ州知事の行政命令によりビーチの再開が行われた。現時点では試験的な開放だが、ビーチチェアやパラソル類の持ち込みは制限されていない。「私たちはフロリダとは全く異なります。完全な開放ではないし、一般開放でもありません」と、ブルンズウィック市とジョージア沿岸にある4つの島で構成されるゴールデン・アイルス地区の代表者がローリングストーン誌に語った。

しかし、ソーシャル・メディアの投稿を見る限り、ガイドラインに従って自宅待機しているはずの州民の実情はまったく違う。「外出している人をたくさん見かけるし、そういう投稿もたくさんある。リラックスしたり、日焼けしたり、仲間と会ったりね」と、サヴァンナ在住ポッドキャスターのメーガン・ノエルが言う。さらに、公衆衛生当局の提案を却下したケンプ州知事が先週金曜日に閉鎖ガイドラインの一部解除したことを、州民は本来の生活に戻ってもいい許可だと理解した。このガイドラインの一部解除にはネイルサロンやレストランなどの再開も含まれているため、住民たちはビーチに繰り出すなどのリクリエーションを再開したわけだ。「ビーチは人で溢れている」と、サヴァンナ在住のレクシー・トーレンス(22歳)が言う。

・タイビー島のシャーリー・セッションズ市長は自粛を求めている(動画)

「車で通り過ぎるときにビーチにいる人たちを見ると、突然腕立て伏せなどをやり始める人が多いですね」と、タイビー島の市政代行官ショーン・ギレンがローリングストーン誌に語った。

ギレンは、島へ通じる橋を通った車の数から推測すると、先週タイビー島に訪れた人の数は約6700人だったと言う。また、マスクを着用している人はほとんどおらず、間隔を空けずにビーチタオルを広げて座っているグループをたくさん見たと言う。これは一部解除の条例に違反しているため、ジョージア州パトロール隊が強制的に間隔を広げたグループも複数いた。さらに、6フィート(180cm)空けるというソーシャル・ディスタンシングを守らなかったとしてこの週末に違反チケットを切られた人は20〜30人にのぼることや、ビーチから退去されられた男も一人いたことをギレンが教えてくれた。

4月にこの島に訪れる観光客の総数として7000人は少ないのだが、州の屋内退避命令が失効する4月30日以降の人出は上昇傾向になるとギレンは予測する。「基本的に、ビーチの開放区域が広がるので1万人に到達すると考えています。土曜日と日曜日で1万人になるでしょう」とギレン。

ビーチに集まる人の数が増えると人々の間隔を空けることが難しくなってくる。「海岸線が8キロほどあるので、先週の土曜日のような感じで何千という人々が来ると、その何千人の人たちに4〜5人の職員でルール厳守を指導することになります。これは大変なことですよ」と、ギレンが説明する。

前出のトーレンスは「明日が誕生日なのでビーチに行きたいけど、誕生日にコロナウイルスをもらうなんて絶対に嫌ね」と言った。

Translated by Miki Nakayama

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