楽器・作曲ソフトの売り上げ急増、コロナ隔離生活は新たなルネッサンスをもたらすか?

隔離生活によってギターを始めることにした青年(Photo by Matthew J. Lee/Globe staff)


「制作環境のアップグレード」も新たなトレンド

高価で多機能な機材が売れていることは、緻密に作り込まれた音楽という現在のトレンドに拍車をかけるかもしれない。

「ドラムマシンやシーケンサーが生の打楽器よりも売れているという現在の状況は、これまでには見られなかったことです」Tuerkはそう話す。「特に伸びているのはElektronの製品です。具体的にはポリフォニックデジタルシンセサイザーのDigitoneや、デジタルドラムコンピューター兼サンプラーのDigitaktが、先月や去年の同時期と比較して大いに売れています。Elektronのシンセサイザーやドラムマシンは通常、エレクトロニックミュージックに真剣に取り組んでいる人々が手にするものです。複雑で使い方を覚えるのに時間を要しがちなElektronの機材が売れていることは、自宅でより緻密な音楽を作ろうとする人々が増えていることを示しています」



Reverbのチームによるとプロオーディオ機材の需要も高まっており、その傾向はこれまで店頭でギターやドラムを購入していた人々の間で特に顕著だという。つまりギタリストやドラマーが、オーディオインターフェースやマイク、デスクトップシンセサイザー等のプロオーディオ機材の導入を始めているということだ。

「この傾向から、彼らがバーチャル空間で他のミュージシャンたちとのコラボレーションを試みていると考えられます」Tuerkはそう話す。「自宅にとどまることを余儀なくされているクリエイティブなユーザーの多くが、マイクやスピーカー、オーディオインターフェース、作曲ソフト等の宅録機材を購入しています。オーディオインターフェースの検索数は、前年と比べて303パーセント増加しています」。時間に余裕のできたミュージシャンたちは現在、ワンランク上の環境を構築しようとしている。

「既存のスタジオ設備をアップグレードする動きも見られます」彼はそう続ける。「所有しているキットのドラムヘッドを全て交換しようとする人もいます。ギターを弾いている人は新たなチューナーや弦、ネックの研磨剤などを購入しています。手持ちの楽器をアップグレードし、まるで新品のように生まれ変わらせようとしているのでしょう。私は(自社倉庫で)梱包作業をしているので、そういう傾向を目にするのは楽しいですね」

Guitar CenterではDJコントローラーの売上も著しく伸びているという。「普段は大型スタジオでレコーディングしているミュージシャンたちや、クラブやフェスティバルでプレイしているDJたちが、自宅で作業するためにそういった機材を購入しているようです」同社の広報はそう話す。「Instagramでのライブ配信(DJ D-NICEやクエストラブ等が実施)がブームになっていることも、DJコントローラー人気の一因となっています」

Translated by Masaaki Yoshida

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