米FOXニュース司会者、コロナ感染したCNNキャスターを番組で笑い者に

左の女性がローラ・イングラハム氏(FoxNews/Screenshot)

米FOXニュースの司会者ローラ・イングラハム氏が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するニュースの中で、ウイルスに感染した同業者のCNNキャスターたちを中傷した。

日ごろからイングラハム氏は治療効果が立証されていない薬を勧めたり、自宅待機反対デモへの参加を促すなど、コロナウイルスに関する危険な助言を吹き込んでいるが、現地時間22日夜の番組では5分以上もの時間を割き、映像をふんだんに盛り込みながら、CNNのニュースキャスターをこき下ろした。

「何人ものキャスターがウイルスに感染し、個々の体験をこれ見よがしに語っています」(番組の動画)

コーナーの冒頭ではゲストのレイモンド・アロヨ氏(EWTNニュースのディレクター/アンカー)が登場。新型コロナウイルスに感染し、感染後の経過をオンエアで語っているCNNの顔――クリス・クオモ氏、ブルック・ボールドウィン氏、リチャード・クウェスト氏――を非難した。

「ローラ、ジャーナリズムの鉄則その1は『自らを記事にするなかれ』です」とアロヨ氏はのたまい、こう続けた。「ですがCNNは違うようです。キャスター陣をCOVID-19の危機に便乗させようという意図があるようです」

「何人ものキャスターがウイルスに感染し、個々の体験をこれ見よがしに語っています」とアロヨ氏はさらに付け加えた。「新手のリアリティ番組を立ち上げたかのようですね。題して『CNNキャスターよりマシじゃない?』」

ここで画面には、アロヨ氏がつい先ほどほのめかした架空のリアリティ番組のタイトルが表示され、CNNのキャスターが感染した経験を語る映像が次々流れた。

モンタージュ映像の後アロヨ氏は、冒頭でイングラハム氏と笑いながらふざけた番組タイトルと映像を流したことなどすっかり忘れてこう言った。「ローラ、自分自身のことを感傷的に語るなど、厚かましいにもほどがあります。人が亡くなっているんですよ。生計を奪われている人がいるんです。ほぼ間違いなく、若くて健康的なキャスターが病気に屈することはないでしょう」

アロヨ氏はさらにこう続けた。「このような個人的な話を毎晩聞かされるのは迷惑です。あらゆる角度から見ることができなくなるからです。視点を持つことは大事ですが、自分が記事の主役になるのはいかがなものでしょう。CNNはこうした個人的経験談は控えるべきです。うんざりですよ」

ここでイングラハム氏が加わり、「(CNNのキャスターが)ご無事でなによりです」と言って回復を祈るコメントを述べたが、その後愕然とするような皮肉を添えた。

「ただどうも腑に落ちないのですが」と、イングラハム氏はCNNの番組の話題性について述べた。「これはこの場でニュースにするようなことですかね?」とイングラハム氏は尋ねた。

仮にパンデミックの最中にCNNキャスターがウイルスに感染したことがニュースでないなら、なぜイングラハム氏は取り上げたのだろう? アロヨ氏がまさにコーナーの中で言ったように、「人が亡くなっていて、生計を奪われている」のだ。

当然2人はCOVID-19のお笑いコーナーに戻り、特定のキャスターや事件について再び揶揄し始めた。その中には、視覚効果を加えてアンダーソン・クーパーを揶揄した映像も含まれていた。

これはニュースにするようなことだろうか?

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Translated by Akiko Kato

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