マイケル・ムーアが語った「トランプ・ウイルス」と「トランプ前のウイルス」

先日放送された米人気TV番組『The Late Show』に出演したマイケル・ムーア監督(右)

マイケル・ムーアは、先日放送された米人気TV番組『The Late Show』に出演し、司会のスティーヴン・コルベアに、コロナウイルス対策や「トランプ・ウイルス」、さらに彼が「トランプ前のウイルス」と呼ぶ事象について語った。

ムーアの頭の中にはまず、11月にトランプを大統領の座から引きずり下ろすことがあった。一方で彼は大統領が「空から降ってきた訳ではない」ことを認めた。また、壊れた米国の政治システムには「トランプ前のウイルス」が感染し、完全には修復しきれずに「今なお大きな痛みと絶望感を国民にもたらしている」という。ムーアはパンデミックの間中ずっと、コロナウイルス後に「自分たちがどのように生きたいか」を考えてきたと語った。そして今回は、強制的な構造改革が望めそうだという。

「皆が変わっていこうとしていると思う。時給7ドル25セントで働こうなどという人間はいなくなるだろう。そんな時代は過ぎ去ったと思う」とムーアは言う。そして映画監督はコルベアによるバーニー・サンダースとの最近のインタビューにも触れ、コルベアに指摘した。「現状を見た時に我々が避けるべき話題は、誰もが医療保険に加入すべきかどうかだ、と発言したのはバーニーではなくあなた自身だった。我々は皆一緒だ。それこそ黄金律だろ?」



インタビューの後半は、ムーアの長年の共同作業者であるジェフ・ギブスが監督を務めた新作ドキュメンタリー映画『Planet of the Humans』の話題だった。同作品は4月21日にYouTubeで無料公開された。同作品は気候変動問題を扱いながらも、環境保護活動に対してはやや批判的な見方をしている。「環境を正常な状態へ戻そうと我々が歩んできた道は、それが善意から来たものであっても、正しい道ではなかった。なぜなら我々は今のところ、気候変動問題だけでなくさまざまな問題に対して非常に悪い状況にあるからだ。だから我々はソーラーパネルや風車から離れられない。全く新しい方向性を見出す必要がある。この映画はこういったことを伝え、我々が考えるべき方向を示しているんだ」。

しかし将来を悲観した話の後でムーアはメアリー・チェイピン・カーペンターの『Why Shouldn’t We』のサビを歌い、インタビューを少しでも明るく締めくくろうとした。

Translated by Smokva Tokyo

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE