メタリカのラーズ・ウルリッヒが選ぶ、最強のメタル/ハードロック・アルバム15作

UFO『Strangers in the Night』 (邦題:UFOライヴ、1979年)


ハードロックのライブアルバムとしては、史上最高の作品のひとつだろう。他の70年代のバンドとの出会いもそうだったけど、俺はまずライブアルバムから入って、その後遡ってスタジオアルバムを聴くようにしてた。レーベルの指示に従って、ジューダス・プリーストもブルー・オイスター・カルトもUFOも、スタジオアルバムを4〜5枚出した後にライブアルバムを出してるんだけど、その多くは70年代中盤から後半のベストトラックを集めた2枚組になってる。わりと早い段階でライブアルバムを出すことは、バンドの勢いを持続させるための戦略だったんだ。

『UFOライヴ』は「ナチュラル・シング」で幕を開け、「オンリー・ユー・キャン・ロック・ミー」や「ドクター・ドクター」等のヒット曲がいくつか続く。「ラヴ・トゥ・ラヴ」はハードロックバラードの走りのひとつで、「ロック・ボトム」にはマイケル・シェンカーの7分くらいありそうなギターソロが収録されてる。ランディー・ローズやジミー・ペイジのような脚光こそ浴びなかったけど、カーク・ハメットも含めた多くのギタリストにとって、マイケル・シェンカーは知られざるヒーローだった。彼をお気に入りのギタリストに挙げるミュージシャンは多いよ。このアルバムは臨場感がすごくて、まるで現場にいるように感じさせてくれる。それって優れたライブアルバムの証拠なんだよ。




ウォリアー・ソウル 『The Space Age Playboys』(1994年)


ウォリアー・ソウルはGeffen Recordsからデビューして、当初は俺たちと同じマネージメントがついてた。そういう事情もあって、彼らとはよく対バンしたよ。その後レーベルから解雇されてしまった彼らは、1994年にこのアルバムを自主リリースした。

「Rocket Engines」はマジでぶっ飛んでる。ヘヴィでパンクで、狂ったようなエネルギーに満ちてる。リードシンガーのコリー・クラークはマシンガンのように言葉を放ち、怒涛のアティテュードを見せつけ、印象的なラインを次から次へと繰り出す。そのテンションが最後まで続くんだから、マジでとんでもないレコードさ。

彼の初期のレコードにはやや政治的なところがあった。先住民のインディアンやチャーリー・マンソンを題材にした曲があったり、抑圧されてると感じる自分の心情を歌った曲もあった。それに対して、このアルバムはもはやパンクだ。(ニューヨーク・)ドールズやストゥージズのような、初期のニューヨークのグラムロックとパンクを無理やり組み合わせたような、独特のフュージョン感がある。彼のことを知らない人は、早急にこのアルバムをチェックすべきだ。





【レジェンドが選ぶ「史上最高のメタル・アルバム」】
①オジー・オズボーンが選ぶ、究極のメタル/ハードロック・アルバム10作
②ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードが選ぶ、至高のメタル・アルバム10作
③メタリカのラーズ・ウルリッヒが選ぶ、最強のメタル/ハードロック・アルバム15作
④スレイヤーのケリー・キングが選ぶ、不滅のメタル・アルバム10作

Translated by Masaaki Yoshida

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