ドミコが愛でる「農作物のような楽曲たち」とフリーダム

左から、長谷川啓太(Dr)、さかしたひかる(Vo, Gt)



入り乱れて一見ルーツが分からないっていうところが一つの芯としてある

―さかしたさんと長谷川さんで曲作るにあたって、音楽性やバンドの方向性で一致していることって多いんですか?

さかした:二人とも特に無いんですよね。強いて言うなら自分らのオリジナル感がある曲を作りたい。オリジナリティなかったら、やる意味ないですからね。ルーツが分からなそうなのが面白いと二人とも思っているので。こういうのやりたいよね、ああいうのやりたいよねっていう想像の範疇で出てくるものって、何かに似ているもののことが多いじゃないですか。デモとかストックする上で良くないなって思うものは、大体何かに似ていたり、聴いていた曲の影響が分かるんですよ。逆に、ルーツが分からないけどカッコいいものは割と曲に残していって。そうやって曲を作っているので、引用は今までしなかったんですよね。アルバムを出していくにつれて、ドミコらしさが確立できたので、そこのタイミングで引用してみたら面白いなと思って、今回初めて引用をやってみたんですよね、「さなぎのそと」はテレヴィジョンのフレーズを丸々弾いているんですよ(笑)。丸々引用しているけど雰囲気をガラッと変えているから、結構違う側面を見せられたりできて面白いです。

―そういう遊び心がプラスでできる余裕ができた作品なんですね。自分たちのオリジナリティを大事にしているということですが、他の音楽に激しく影響を受けることはないんですか?

さかした:影響を受けることは受けるんですけど、直接的なエッセンスより、噛み砕いて、出てくるときには分からないものにしておきたいなと思うんです。ジャンルや時代に沿った音楽は、コンセプトがしっかりして分かりやすいしかっこいいと思うんですけど、ドミコの場合は入り乱れて一見ルーツが分からないっていうところが一つの芯としてある。引用したとしても、そこがぐちゃぐちゃでわからないっていう感じがドミコっぽいなって。

―最近、曲を作る上で何かインプットしているものはありますか?

さかした:音楽で考えたら曲を聴くぐらいしかないですね。カルチャーとかも疎いし、時代、歴史とかもあんまり……。なんかいいなーってくらい。音楽以外があまりなくて、映画も集中力がないのであまり見ないですね、『スター・ウォーズ』が好きなくらい。漫画もアニメも見ないし、小説も大学の授業以来読んでない。結構音楽のみになっていますね。音楽もYouTubeでライブを見たり、サブスクで聴いたり。でも最近音楽をチェックしている中で共感を抱くアーティストって僕はあまりいないですね。基本的に自分の好きな音楽を掘っているので、リアルタイムの音楽はあまり聴いたりはしないです。

―すごく好きになったバンドがいたらそれを繰り返して聴くと。

さかした:いつの時代なのか、どのアーティストだったりかも分からないようなライブを見たりするので、このバンドがめっちゃ好きってそんなにないですね。ディアハンターとかテン・イヤーズ・アフター、バトルスも聴いたりしますけど、すごく共感して影響されてという感じではないかな。あ、ニールヤングとかペイブメントは長谷川が好きですね。1個大きなものを挙げられないのは、自分たちの曲に現れていないパターンが多いからで。

―でもそういう要素が複雑に入り乱れた結果、オリジナリティに繋がっていくんですね。逆にドミコとして音楽をやっていく中で、一貫して繋がってやり続けてきた部分はありますか?

さかした:なんだろう……。なんかあるかな……。あると思うんすけど、分かんないですね。聴いている人の方が分かりそう。オリジナリティの追求も、ドミコらしさみたいなものも結構曲が溜まってきたら、自分たちは感覚で分かるんで。らしさってなんだって考えながら曲を作るフェイズもだいぶ前に終わったんですよね。……なんだろう、いいなって思ったものをドンドン残そう、それならアルバムも作ろうみたいな感覚で。ほんともう農作業と変わんない(笑)。第一産業と変わらないような感覚で作って、気に入ったから世に残すっていうサイクルなので。あの人の気持ちを救いたいとか、そういう感情がないから。良くも悪くもそこに無関心な感じが一貫しているかもしれないですね(笑)。

―ドミコの曲はライブでオーディエンスが盛り上がっているのが見えると思いますが、ステージからはどう見ているんですか? ステージの2人との温度感のギャップとか感じたりするんすか?

さかした:特に見ていないですね。演奏中は足元をいじったり忙しいし、バーっと見て楽しそうだなとかそれくらい。もちろん迷惑行為とか見たら、銃で撃つかもしんないですけど(笑)。でも同じところで合図して声出すとか、自分もやったことないので、そういう発想はないですね。ライブは何をやっていてもいいと思うし、酒を買いに行ってもいいだろうし、別に予習とかも必要ないと思うし。ほんと自由にしてほしいなってずっと思っているので。最近はそういう人が多くなって、すげー自由な空間になりつつあっていいなと思うし。いろんなパターンの人がいて面白い。

―最近はコロナウイルスの影響で、ライブハウスのイベントが中止になったり自粛しろっていう雰囲気もありますよね。ライブという場がなくなることでエネルギーが溜まっていますか?

さかした:ないですね、ライブを別に自分の発散って思ったことがないんで。ミュージシャンにとっては春休みみたいな感覚です。こんなにライブが無いのいつぶりだろう?ってぐらい。もちろん生活していくために絶対必要なんで、危機感もある人はいっぱいいるだろうけど。最近ウイルスが蔓延しているっていう危機感は頭にはありますけど、同時に非現実的な感じがするんですよね。別にライブがやれないことに対してはそんなにストレスもないですね。状況的には普通やなっていう(笑)。作曲もライブも両方大事ですけどね。この状況的には何もしないほうがいいんじゃないかと思うんですけどね。

―では、今さかしたさんを突き動かすモチベーションはどんなところなんでしょう? これまで曲に込めるメッセージもないし、ただ農作物を育てるように曲もちゃんと作っていきたいっておっしゃっていましたけど。

さかした:モチベーション的にもそこが一番なんですよね。自分でフレーズができた瞬間とか、これは曲になりそうだなっていうメロディができたとき、いち早くボイスメモに残したい、早く自分のものにしたいっていう欲求が生まれるんですよね。写真を撮ってアルバムにするみたいな感覚に近いのかもしれない。とにかく残したい。形のないものだから、留めておかないと無くなるんじゃないかみたいな気持ちがあって。とりあえず自分でいいなと思ったものを残したい、この一心ですね。

<INFORMATION>


Mini Album『VOO DOO?』
ドミコ
発売中
タワーレコード & FLAKE RECORDS 専売商品

収録楽曲
01 おばけ
02 化けよ
03 びりびりしびれる
04 噛むほど苦い
05 問題発生です
06 さなぎのそと
07 地動説

タワーレコード
https://tower.jp/item/5017183/VOO-DOO-

FLAKE RECORDS
http://www.flakerecords.com/rcminfo.php?CODE=32710

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