史上最強のA&R・近藤雅信、東芝EMI時代の清志郎、渋谷系を語る



田家:細野さんと清志郎さんと両方関わってらっしゃるA&Rは近藤さんくらいでしょう。

近藤:いや、そうか牧村(憲一)さんは「い・け・な・い ルージュマジック」だから教授なんだよな。

田家:はい。でも彼は細野さんのレーベルをやっていましたよね、一時期。

近藤:ノン・スタンダードをやっていました。

田家:そういう意味では両方か。でも清志郎さんとはそんなに近くない。細野さんと清志郎さんと共通するものってありそうですか。

近藤:すごくありますね。直観的にうまくいくなと思ったし、細野さんはアルファ時代にLDKスタジオっていうアルファが作ったスタジオ、¥ENレーベル、細野さん専用のスタジオだったんですけど、そこで作業をやっているときにローリングストーンズのビル・ワイマンが当時A&Mレコードだったので、日本にプロモーションで来たときに「細野に会いたい」っていって会いにいったことがあるんです。それがストーンズのツアーのときだったんですけど、細野さんはビル・ワイマンから「ストーンズを見にこない?」って言われて、1人で行くのは嫌なので、細野さんのかつてのマネージャーで日笠雅水さんって方がいて。その方は清志郎さんとも仲がいいんですけど、手相を見る先生で。その方に相談したら、清志郎さんと行けばいいじゃないということで2人で行ったらしいんですよ。なんか繋がりがあるんですよね。

田家:おもしろいですね(笑)。清志郎さんと細野さんの共通点がもしあるとしたらどういうことなんでしょう。

近藤:漫画がうまい。

田家:あ、細野さん、漫画がありましたもんね。細野観光の展覧会に。

近藤:あと、ユーモア感がある。2人とも東京。シャイ。あと、リズム感がいい。

田家:なるほどね。それで両方とも近藤さんが惹かれていく要素もちゃんと持っている。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE