─海外に行ったから何かが変わるわけではないということがわかった後、kimさんはどういう進路を選んだんでしょう。
海外から帰ってきたのが大学4年生の夏前で。就活をすればなんとなく就職はできるだろうと思ってたんですけど、このまま一生テキトーに働いて終わるのがすごく嫌だったので、とりあえず学割を延長したいと思ったんです。それで1番試験日が近かった東大を受けてみました。東大は8月受験だったので、落ちたら1月に別の大学院を受けようと思ったんですけど、そしたら偶然受かって、2019年から通っています。もちろん、やりたいことがちゃんとあって大学院に行ったんですけど、きっかけとしてはまだ働きたくないっていうところからですね。
─プロフィールだと、音楽も2019年から開始って書いてなかったでしたっけ?
今のスタイル(ループマシンを用いたエレキギター弾き語り)でやり始めたのが2019年辺りで。その前はアコギ弾き語りスタイルでの活動をしていて。留学から帰ってきて、今のスタイルで本格的に始めたんです。
─大学院ではマーケティングを勉強しているんですよね。すごく単純化して言えば、クリエイティブとマーケティングって水と油のような気もして。だからこそ分業になっているところもあると思うんですけど、kimさんはそれを1人で両方やっているわけで。それには何か理由はあるんですか?
きっかけとしては単純にマーケティングしてくれる人がいなかったからってだけなんです(笑)。あとは自分がマーケティングに関心があったから。どの層の人たちが、どこでどれぐらい聴いているかと考えたら楽しくて。ぼくはデータを見たり分析するのが好きなので、今日はこれだけ伸びたとか、新曲を出したらこれだけ伸びるとか分析するのがシンプルに好きなんです。1人でやる上では、それも1つの醍醐味だし、セルフマーケティングとして考えてやっています。