ロックダウンの最中、ワーナー・レコーズはなぜビッグタイトルをリリースし続けるのか

デュア・リパは、ジェームズ・コーデンの『Late Late Show』でミュージシャン(とダンサー)たちを交えたスマートなウェブキャストパフォーマンスを披露。(Photo by CBS via Getty Images)



音楽業界のエコシステム維持

その前週(3月19日)にワーナー・レコーズがリリースしたNLE Choppaの「Walk ‘Em Down with Roddy Ricch」は、現在グローバルチャートを急上昇中だ(Spotifyでは1950万回再生を記録)。同社のCEO兼チェアマンAaron Bay-Schuckが惚れ込んだNLE Choppaは、地元メンフィスで食料の配送ボランティアを自ら買って出ており、サポートを必要としている人々のために各自が行動を起こすよう呼びかけている。



「仲間たちはもちろん、この業界におけるライバルたちにも、作品のリリース延期については慎重に考えて欲しい」。コーソンはそう話す。「そういう措置が必要なケースもあるとは思う。特にフィジカルのセールスの占める割合が大きい場合なんかはね。でも可能であれば、この業界で生きる人々には策を練ってもらい、音楽業界のエコシステムの維持に努めて欲しい。リスナーは今も新譜を求めているし、音楽だって鮮度が命なんだ。発売延期の影響を軽く見ないほうがいい」

今世界で最もビッグなアーティストであるドレイクも、リリース日を変更しないというワーナー・レコーズの考えに賛同しているようだ。明らかにTikTokを意識したシングル「Toosie Slide」は先週の金曜(4月3日)にOVO / Republicからリリースされ、アメリカのSpotifyチャートで初登場1位を記録した。



特に若い消費者たちの間で「時間潰しのためのエンターテイメントが求められている」という現在の世論に、コーソンは異を唱える。彼はビッグタイトルのリリースが、家にとどまることを強いられているファンたちに元気を与えるだけでなく、コンサート会場の閉鎖による影響を受けているクリエイティブ界隈の人々や、作品に携わった作曲家やプロデューサたちへのサポートに繋がると主張する。

ワーナー・ミュージック・グループのGlobal CEO of Recorded Musicを務めるマックス・ルーサダもまた、コーソンの考えに同意しているようだ。彼が仕切るWMGのもうひとつの主要レーベル、アトランティックは、コロナウイルスの影響が世界中に拡大し始めた3月前半に、リル・ウージー・ヴァートの2作品(アルバムとミックステープ)をリリースした。

ルーサダはこう話す。「音楽は病を治すことはできなくとも、人々に心の安らぎを与えることができます。それは希望の源であり、強さと逞しさ、そして他人との繋がりを生み出します。この困難な時代に私たちがすべきことは、従業員やアーティストたちの生活を守り、音楽業界のエコシステムをサポートしていくことです」

Translated by Masaaki Yoshida

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE