アメリカ中で賛成の嵐「国民の生活が崩壊する前に一律現金支給せよ」

アメリカ民主党大統領候補選挙中、アイオワ州メイソンシティのチャールズ・H・マクナイダー美術館で演説する実業家のアンドリュー・ヤン元候補(Photo by John Locher/AP/Shutterstock)

ローリングストーン誌とのインタビューに答えたアンドリュー・ヤンは、新型コロナウイルス対策として、民主党幹部とベーシックインカム計画について話し合ったことを明らかにした。

アンドリュー・ヤンは大統領民主党予備選挙から離脱したが、全てのアメリカ成人に1人当たり毎月1000ドルを与えるという彼の代表的な計画が、かつてないほど支持されている。

新型コロナウイルスの影響で一気に景気が後退し、自営業者や非正規雇用者の生活が苦しくなると見られる中、様々な政治的立場の議員がパンデミック対策として現金支給に賛成の声を上げている。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(民主党、ニューヨーク州代表)、トゥルシー・ギャバード下院議員(民主党、ハワイ州代表)、ミット・ロムニー上院議員(共和党、ユタ州選出)らはみな、パンデミックによる経済損失の対策として、何らかのベーシックインカムの導入を呼びかけている。ティム・ライアン下院議員(民主党、オハイオ州代表)とロー・カンナ下院議員(民主党、カリフォルニア州代表)は被害を受けたアメリカ人を対象に、各々のニーズに応じて最大6000ドルを現金支給することを提案。ロムニー上院議員は、成人国民に対して一律1000ドルを支給する案を発表した。

コロナウイルスの最中、自ら推し進めてきたアイデアが議員たちに支持されて感激だ、と言うヤン氏。非公式ながら、議会で民主党幹部らとユニバーサル・ベーシックインカムについて話し合ったと述べた。また、大統領選挙の離脱後に立ち上げた団体Humanity Forwardも、複数の政策担当者と接触しているという。「国民の生活が崩壊する前に可決できるかもしれないことを嬉しく思います」と、本人も語っている。

月曜の午後、ヤン氏はローリングストーン誌の取材に応え、なぜベーシックインカムでアメリカ国民が生活できるようになるのか、もし自分が大統領ならどんな対策を実行するか、そして将来再び公職に立候補する可能性について語ってくれた。

ーCOVID-19パンデミックの対策として、ユニバーサル・ベーシックインカムが正しいと思う理由は何ですか?

アンドリュー・ヤン:考えてみてください、今働いている数百万人ものアメリカ人が大打撃を受けることになるんです。業種は多岐にわたります――Uberの運転手にウェイトレス、キャビンアテンダント、ホテルの従業員、犬の散歩係にパーソナルトレーナー。これだけ大勢のアメリカ人がこれから収入を減らされる、もしくはまるっきり失ってしまうんです。

疾病予防管理センター(CDC)は先日、2カ月間50人以上の集会を避けるように、と言いました。ニューヨーク市は全てのレストランとバーを閉鎖したばかりです。経済的波及効果は壊滅的で、かつ広範囲にわたります。

ですから、天を仰いでこう言う他ありません。「一体全体、こんな状況でどうすればアメリカの何百万世帯の生活を支えられるというのか?」 コロナウイルスの前から、すでにアメリカは過去最低の財政不安を抱えていました。アメリカ人のほぼ半数が、突然の400ドルの出費に対応できないと言っています。国民の78%が毎月の給料でなんとか食いつないでいるんです。ではどうすればいいのか?

何らかの抜本的な行動を起こさない限り、需要と経済活動は大幅に縮小し、歴史的大恐慌を迎えることになるでしょう。そうした状況を踏まえると、需要を支えてアメリカの各家庭がなんとか生活できるようにするには、抜本的な対策を講じるしかないんです。全員の手に現金を、可及的速やかに渡すこと。これ以外に現実的な方法はありません。

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE