URC50周年ベスト「愛と平和の歌」、避けて通れないテーマの歌



ザ・フォーク・クルセダーズの「イムジン河」。フォークルの3人が最後に歌ったステージのライブアルバムからの曲ですね。これは『フェアウェル・コンサート』という形で今回再発売されています。「イムジン河」というのは、朝鮮半島を南北に分断している河ですよね。北山さんが1967年に23万円を集めて制作した自主制作盤『ハレンチ』に入っていたんですね。フォークルはもともと民謡を歌っていた。フォーク・クルセダーズですからね。民謡の十字軍だったわけで、世界に埋もれた、日本に埋もれた民謡を歌い直すという、当時のモダンフォーク、アメリカのムーブメントの流れを受け継いでます。そのアルバムの中にオリジナルが2曲入っていて、それが「イムジン河」と「帰って来たヨッパライ」だった。作詞、訳詞をした松山猛さんが京都の朝鮮学校の友人から教わって民謡と思って歌詞をつけたら作者がいた。しかも日本と国交のない北朝鮮の作家だった。で、親会社の東芝がこんなもの出せないということで中止になったんですね。「イムジン河」は発売できなかった経緯があります。DISC3「愛と平和の歌」もう1曲聴いてもらって、今週は終わりにしたいと思います。



こういう隊長を持ってしまった部隊という、そういう歌なんですが、この部隊はみんな逃げて、隊長だけがああいう結末になりましたが、もし逃げられなかったらみんなそういう結末になっていたわけですからね。というふうに聴いてみてみると、どんなふうにお聴きいただけるんでしょうね。中川五郎さんもURCには欠かせない人ですね。第2回の配布アルバムというのがありまして、片面が六文銭、片面が中川五郎さんという変則アルバムでありました。五郎さんは大阪の寝屋川高校のときに高石友也さんのライブを聴いて衝撃を受けて、自分で歌い始めた。この曲の原曲はピート・シーガー。「花はどこへ行った」とか、ああいう名曲がいっぱいあるアメリカのフォークシンガーの歌なんですね。ピート・シーガーのライブを観に行って、これを聴いて、自分で訳詞をつけて歌い始めたという、そんな始まりの曲で、そういうアーティストですね。でもそうやって高校生が自分ですぐ訳詞をつけて歌って、レコードにしてくれたわけですね。他のレコード会社、商業的なレコード会社は相手にもしてくれなかった。そういう曲をこうやって世の中に送り出したのがURCでした。

Rolling Stone Japan 編集部

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