URC50周年ベスト「愛と平和の歌」、避けて通れないテーマの歌

・ザ・フォーク・クルセダーズ「ぼくのそばにおいでよ」

私は地の果てまで逃げると言った、あの五つの赤い風船の主人公が地の果てまで逃げて、こういう相手がみつかるといいなという選曲です。DISC3「愛と平和の歌」の4曲目ザ・フォーク・クルセダーズの「ぼくのそばにおいでよ」。幸せな逃亡というやつですね。これは1968年10月17日大阪フェスティバルホールで行われた最後のコンサートの模様を収録したアルバム『フェアウェル・コンサート』の中に入っています。東京でのさよならコンサートは、東芝からライブアルバムが出たんですが、この大阪の本当のフェアウェル・コンサートはURCから出ているんですね。今回、再発されることになったアルバムの中に、これも入っております。この曲の原曲はエリック・アンダーソンで、中川五郎さんは「恋人よベッドのそばにおいで」というタイトルで歌っていますね。当時、1970年『キャッチ22』という映画が公開されたんです。ベトナム戦争で徴兵を拒否した若者の映画なんですけど、『キャッチ22』を1番積極的に紹介していたのが加藤和彦さんだったなと今思い出しました。『キャッチ22』も逃げた若者の映画でした。フォークルをもう1曲お聞きいただきます。「戦争は知らない」



『URC 50th ベスト・青春の遺産』DISC3「愛と平和の歌」5曲目、ザ・フォーク・クルセダーズで「戦争は知らない」。これは作詞が寺山修司さんなんですね。作曲がグループサウンズのリンド&リンダースの加藤ヒロシさんという方。オリジナルは1967年、坂本スミ子さんという「夢であいましょう」でレギュラーで出ていらしたラテンの歌い手さんがいて、彼女のシングルなんですね。そのときはヒットしなかったものの、フォークルがカバーして、こうやって歌い継がれる歌になりました。加藤さんはGSを辞めたあとにロンドンにいかれていて、北山さんがロンドンの大学に行っているときに再会したという話を聞いたことがあります。そして寺山修司さんのお父さんは戦争で亡くなりました。この曲は1968年なわけですが、「戦争を知らない子どもたち」というのが70年に作られるわけで、北山さんのこの曲に対してのアンサーソングだったのかなと改めて思ったりしました。次もフォークルです。

Rolling Stone Japan 編集部

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