URC50周年ベスト「愛と平和の歌」、避けて通れないテーマの歌

DISC3「愛と平和の歌」2曲目はこれです。いまさら曲紹介もいらないかと思いながら、加川良さんで「教訓Ⅰ」。



さっきお聴きいただいた加川良さん「流行歌」のアウトロが拍手で終わっていますよね。このアンコールの拍手にお応えして再び登場した加川さんが、いきなり歌い始めたというイメージでこの曲を2曲目にしました。加川良さんは1970年の中津川フォークジャンボリーにいきなり飛び入りで歌ったんですね。そのとき彼はアート音楽出版というURCの出版部門のサラリーマンというのかな、勤め人だったんですけど、自分でも歌おうということで、いきなりこの曲を歌いました。これは1971年の1stアルバム『教訓』に入っておりました。個人は死んでも国は残る。お国のためと言われても命は捨てないようにね、っていう呼びかけというんでしょうかね。個人を取るか、国を取るかという、究極の選択というのが歴史上のいろんな場面で起こることがありますね。特に戦争になったときにはそうなります。日本が戦争になったときにも個人を取ると言った人もいるわけですが、そういう人は非国民と言われました。今、個人を取ると言いにくい時代が来ていないかと思いながらお送りしました。逃げなさいと歌った「教訓Ⅰ」の次、五つの赤い風船「私は地の果てまで」。



『URC 50th ベスト・青春の遺産』DISC3「愛と平和の歌」3曲目、五つの赤い風船「私は地の果てまで」。さっきの加川良さんの「教訓Ⅰ」で「お逃げなさい」って歌詞があったんですね。その曲のあとに、逃げる人の歌としてこれを選んでみました。こうやってアルバムとして聴いていったときに、曲がちゃんと繋がっているんだとわかるといいなと思った選曲ですね。これは71年7月に出た五つの赤い風船のアルバム『New Sky』に入っているんですが、このとき加川良さんの『教訓』は出ているんですね。きっと五つの赤い風船は「教訓Ⅰ」を聴いて、私は逃げるという歌詞を書いたんではないか、歌ったんではないかと、そんな想像もしていました。でもなかなか逃げられないんですよね。逃げるなと言われることのほうが多かったりする時代になっているわけで、こういう歌があってもいいんじゃないか。逃げることから始まることもあるんだろうと思います。じゃあ逃げたあとに、どこに行くんだろうと思ったときに、4曲目ザ・フォーク・クルセダーズがありました。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE