殺されたセックス・セラピスト、ハリウッドの光と影に翻弄された人生

生前のエイミー・ハーウィックさん(Photo by Robert Coshland)



「不健全な執着心をもった人間が(彼女に)安心感を与えた」

2010年初旬、彼女はゴーゴーダンスの公演で、IT専門家で新進気鋭のコメディアン、パースハウスと出会った。写真家でもあったパースハウスは身長6フィート4インチ(約193センチ)、見るからに好青年で、エイミーがよく付き合っていたサンセット大通りのメタル連中とはかけ離れていた。だが友人たちはあまりいい顔をしなかった。「俺には、ギャレスはLAでよく見るような、俳優やコメディアンになり損ねたケン人形って感じに見えた」とヴェクスト氏。「特別なオーラはなかったよ。付き合いの長い別の友人はパースハウスを見て、物腰柔らかな美青年、テッド・バンディ(30人以上の女性を惨殺したシリアルキラー)を連想したそうだ。「彼はしょっちゅう、相手の言うことをオウム返しに繰り返していました」と、匿名希望のその友人は言う。「たとえば、『私チョコレートシェイクが大好物なの』と言うと、彼も『本当? 僕もチョコレートシェイクが大好物なんだ!』と返すんです」。その友人は彼を「人間の行動を全部真似しようとする」TVドラマ『3rd Rock From the Sun(原題)』のエイリアンにたとえた。

友人らの回想によれば、パースハウスは周りがうんざりするほどエイミーさんに付きまとっていたが、彼女のほうは、少なくとも付き合い始めのころは、そうは思っていなかった。その理由についてヴェクスト氏は、ハーウィックさんが見捨てられることへの恐怖にさいなまれていたからだと考えている。彼女もヴェクスト氏も養子だった。養子縁組がもたらす心理的効果について書かれた『The Primal Wound(原題)』は、彼女の愛読書のひとつだった。「見捨てられることを恐れる人は、好かれるよりも、必要とされることで安心するんだよ」と彼は言う。「ギャレスのように、不健全な執着心をもった人間は(彼女に)安心感を与えたんだろう」

出会いから1年半が経過した2011年6月、エイミーさんは初めてパースハウスに対する接近禁止命令を請求した。裁判資料によると、彼女はハースハウスから度々「首を絞める、窒息させる、壁に押しつける、蹴る、力づくで床に投げ倒す、力づくで押さえつける、頭を床に打ち付ける、拳で殴る」などの行為を受けていたと主張した。だが、起訴不追行で請求は却下された。こうしたことは、請求者が告発手続きの続行を選択しない場合などにみられる。エイミーさんがなぜ1回目の請求で告発に踏み切らなかったのかは定かでないが、2012年の2回目の請求では接近禁止命令が認められた。この時彼女は、パースハウスから車から引きずりおろされて鼻から出血し、そのまま高速道路に置き去りにされたと主張した。また彼がたびたびアパートに押し入っては額縁を壊し、「これはまだ序の口だ」という脅し文句をメールしてきたとも主張した。彼女は接近禁止命令の延長を請求しなかった(カリフォルニア州の法律では、接近禁止命令には5年未満の期間が定められている)。おそらく、接近禁止命令の延長申請には出廷が義務付けられているため、法廷で再び彼と顔を合わせるのを恐れたのではないか、と匿名の友人は推測する。

Translated by Akiko Kato

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