「一緒に乗り越えよう」アリス・クーパーが希望のメッセージを発信

「一緒に乗り越えよう」とメッセージを発信したアリス・クーパー(Photo by Shutterstock)

新型コロナウイルスの不安が増大するなか、「一緒に乗り越えよう」とアリス・クーパーが希望のメッセージを発信した。また、失業中のミュージシャンたちを可能な範囲でサポートするようファンに呼びかけるとともに、より多くの時間をスタジオで過ごす計画を明かした。

先週、アリス・クーパーはチープ・トリックなどのアーティストとともにヘッドライナーを務めたツアーのため、ドイツを横断していた。そこでクーパーは、ドイツ政府が1000人以上の集会を禁止したことを知る。ツアーは中止になり、クーパーとクルーたちは即座にあの手この手で帰国する方法を模索しなければならなかった。というのも、米政府がヨーロッパへの出入国を停止していたのだ。最終的に、全員帰国することができた。クーパーは予定していた北米ツアーをキャンセルし、いまは自宅でできることは何か? という問題に意識を集中させているという。

「マネージメントチームが延期になったライブをリスケしようと奮闘しているあいだ、俺は次のアルバムを完成させるつもりさ。とはいっても、ほぼ完成してるんだけどね」とクーパーは米ローリングストーン誌の取材に対し、メールで答えてくれた。「少なくともいまは、ライブの合間のオフ日にボーカルのレコーディングを詰め込むつもりはないよ。俺のスケジュールを見ればわかると思うけど、オフの時間がありすぎるのは好きじゃないんだ。でも、いつもより少し多めに自宅にいることでエネルギーをチャージすることはできる」。

ほかのアーティストの音楽を聴くことでかならずしもエネルギーをチャージしているわけではない、とクーパーは語った。「自宅ではほとんど音楽を聴かない」とは言うものの、運転中に米デジタルラジオSiriusXMでオンエアされているリトル・スティーヴンの『Underground Garage』を聴くのは楽しいと言う。この手のサウンドトラックがクーパーのお気に入りなのだ。「ザ・ストライプスやベイヨネッツといったレトロな若手バンドと、俺のラジオ番組『Nights with Alice Cooper』でかけるようなヤードバーズ、ラヴ、ポール・バターフィールド、プロコル・ハルムといったクラシックなアーティストのマニアックな曲をうまくミックスした、いい選曲なんだ」。

ステージでのダークでゴシックな世界観でお馴染みのクーパーだが(いまだに移動の時はギロチンを持参し、ライブでは拘束衣を着用)、希望こそが自分の推進力だと語る。いま、世界中の人が同じ経験をしていることで、私たちはもっと強くなれるとクーパーは言う。「みんな同じ目に遭ってるんだ」と彼は言う。「エンターテイナーであれファンであれ、金持ちであれ貧乏であれ、男であれ女であれ、年寄であれ若者であれ。だから、一緒に乗り越えよう。それが終わったら、また旅を続けて好きなことをしよう」。

さらにクーパーは、自分よりも恵まれていない状況にいるアーティストたちを人々がサポートしてくれることを期待している。「俺のバンドはずっと昔から活動しているから、この状況を乗り越えるための蓄えはある」とクーパーは言った。「でもひょっとしたら、ファンのみんなは、俺たちみたいに蓄えもなく、ツアーに出られない若手バンドのグッズや音楽を買ってサポートしてあげられるんじゃないかな」。

Translated by Shoko Natori

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