「コロナ危機」に苦しむミュージシャンを支援する9つの方法

コロナウイルス危機のさなか、インディーズアーティストを元気づけるためにファンができること(Photo by Valentin Flauraud/EPA/Shutterstock)

アメリカでも多くのミュージシャンが新型コロナウイルスの影響を受けている。シンガーソングライターのキャロライン・ローズは、「これからはお互いに助け合っていかないと。そうしなければ、この業界の経済はきっと破綻する」と語る。そこで米ローリングストーン誌は、音楽業界関係者に話を聞き、彼らに対してファンができることを聞いてみた。これから紹介する9つの方法は、ミュージシャン/ファンなどそれぞれの立場から、いずれも日本で応用可能なはずだ。

「ミュージシャンにとって、2020年は前から大変だったのに」と、シンセポップのシンガーソングライター、キャロライン・ローズ。そこへやってきて、コロナウイルスのパンデミックだ。当面ライブミュージックやツアーはすべて中止され、音楽を生業とする大多数のミュージシャンは主たる収入源を失いつつある。ツアーで生計を立てている大勢のツアーアーティストにとって、この先数カ月は相当厳しくなりそうだ

平たく言えば、ミュージシャンには助けが必要だ。今月リリースしたニューアルバムに伴う2カ月のスプリングツアーを中止せざるを得なくなったローズのように、アーティストにとっての目下の懸念は、バンドメンバーがせめて今月の家賃を払えるようにすること。「これからはお互いに助け合っていかなくちゃ」と彼女は言う。「でないと、この業界の経済はきっと破綻するわ」

ローリングストーン誌は大勢のアーティストや業界関係者に接触し、この危機のさなかファンはどうすればインディーズミュージシャンを元気づけられるのか、有益なヒントを教えてもらった。


1. ためらわず募金する

当然といえば当然だが、自分たちが何も提供していないのに直接お金をせがんでもよいものか、ミュージシャンの間でも意見が割れている。この先数カ月、アーティストがVenmoやPaypal、Patreon、GoFundMeのアカウントのリンクを張っていたら、ほぼ間違いなく困っている証拠だ。「この手の方法はまとまったお金をすぐに集められるので、重宝しているわ」と言うのは、ルーツミュージックのシンガー、ジャニヴァ・マグネス。アーティストがPaypalのリンクを張っていないからといって、助けなどいらないと言っているわけではない。アーティストに個人的に連絡して、支援が必要かどうか尋ねてみては、とマグネスは提案している。


2. 物販は(いまだ)強し

「基本的には、グッズを買ってもらうのがアーティストには一番助かる」とローズ。「ストリーミングは何の足しにもならない……私の場合、収入のほとんどは物販なの」 CDやアナログレコードを買うのもいいが、アーティストを直接サポートする一番いい方法は、webサイトにアクセスしてお気に入りのTシャツやパーカーやポスターを購入することだ。「本当に大助かりだ。ほとんどの場合、バンドの手元にすぐお金が入るしね」と、Savoir Adoireのボーカル、ポール・ハマーも言う。「(収入が手元に入るまで)数カ月、場合によってはそれ以上かかるストリーミングとは大違いだ」


3. 駆け出しアーティストこそ、助けが必要

お金の払い先を意識しよう。まだ音楽一本では食べていけない、駆け出しの若手アーティストたちは飲食業で働いているため、ダブルパンチを食らっている。全米の多くの都市ではレストランやバーが営業停止しているため、アルバイトを掛け持ちしているミュージシャンは安定した食い扶持を失ってしまった。まだ無名のアーティストを支援する際におすすめなのがBandcampというサイトだ。今週金曜日のサイトの売上に関しては、運営側の取り分を放棄して、全額アーティストに渡すという

「お気に入りのアーティストだけでなく、駆け出しの新人アーティストも支援してください。彼らのほうが困っているんです」と言うのは、LVL-UPの元ギタリスト、マイク・カリディ氏。現在はDouble Double Whammyというレーベルを運営し、Glow名義で音楽活動もしている。「無名のバンドはツアーがキャンセルになってしまっています。音楽ファンの助けがもっと必要です。Bandcampで、アルバムに提示された額よりも余分にお金を払ってください。すでに1枚買ったという人も、ストリーミングするか、または友人用にもう1枚買ってあげてください」

Translated by Akiko Kato

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