ザ・ストロークス、「最高に刺激的なバンド」と呼ばれた2001年の快演を振り返る

ザ・ストロークス(Photo by Rolling Stone)

2020年のフジロックでヘッドライナーを務めることが決まったザ・ストロークス。それを記念して、彼らの人気を決定づけた1stアルバム『Is This It』がリリースされた2001年、デビュー当初にして黄金期のライブ映像を振り返る。

※本記事はローリングストーンUS版で2019年1月8日に公開されたものを一部編集しています。

今週(昨年1月)初めにガバナーズ・ボールのラインナップが発表され、3日間開催されるこのイベントのヘッドライナーの一組がザ・ストロークスだと明らかになった。驚くべきは、彼らがこのニューヨーク市主催イベントでヘッドライナーを務めるのが過去5年間で3度目ということだ。ましてや2011年のツアー終了後、2年近くバンドとしてステージに立つことがなく、以降行なったライブが合計20回程度(当時)という彼らの状況を踏まえると、これは驚異的といえる。

過去の彼らは積極的に活動していた。事実、2001年のストロークスは、デビュー・アルバム『Is this It』をプロモーションするために100本を超えるライブを行なった。ワシントンDCのブラック・キャットやニューヨークのボワリー・ボールルームなどのクラブから出発した彼らだが、急激な人気上昇であっという間にヨーロッパの有名フェスティバルに登場し、熱狂する多数のファンの前で演奏するバンドへと急成長したのである。当時、ノエル・ギャラガーは「ストーン・ローゼズ以来の最高に刺激的なバンドだ」と言っていた。「世界への影響力が最も大きいという点で、彼らが今一番有力なバンドだと思うね」と。



ここでスコットランドのロックフェス、T・イン・ザ・パークで「New York City Cops」をプレイする彼らの映像をご覧いただきたい。ミューズ、ジェイムス、ステレオフォニックス、デヴィッド・グレイなどもこのフェスに登場した。この時点でアルバム『Is This It』はまだ発売前なのだが、ストロークスを取り巻く圧倒的な人気がすでに存在している。当時、同アルバムのアメリカ国内リリースは9月下旬に予定されていたが、9月11日に起きたテロ攻撃を受けてリリース日が延期された。また、この攻撃で崩壊したツインタワーで人命救助にあたった多くの警官が命を落とした直後に、サビ部分に「ニューヨーク市警は……あまり利口じゃない」という歌詞が入っている楽曲をリリースするのは不適切だという理由で、アメリカ盤では「New York City Cops」が「When It Started」に差し替えられることになった。

Translated by Miki Nakayama

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