特定の場面で喋れないことに対する誤解、場面緘黙症とは?

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周囲の人は、話さないことを責めてはいけません。答えが返ってこなくても、あたたかく話しかけましょう。周囲の理解がないことにより、当事者が孤立してしまうこともあります。望まない孤独は様々な問題の要因となりますので避けなければなりません。また、不安が高まりそうなシチュエーションでの発話を強要してはいけません。緘黙の児童の場合、「発話を促す」→「不安が強くなる」→「(大人が)代わりに答える(発話の回避)」→「不安が軽減する」→「緘黙が維持・強化される」という負の強化サイクルになってしまうこともあります。場面緘黙が疑われる場合には、まずは、不安症や発達障害に詳しい医師や心理士、言語聴覚士がいる発達センターや教育センター、病院に相談しましょう。個別に対応方法を考えて、段階的に、スモールステップで改善をはかっていきます。

そして、なによりまだまだ認知度が低いため、理解者を周囲に増やしていくことが大切です。ミュージシャンにも場面緘黙について発信している人たちがいます。mananaさん、若倉純さん、中越千春さん、AIRIさんによる「場面緘黙経験者発信ライブ かんもくアコースティックライブ」というイベントがあります。これはタイトルどおり、場面緘黙経験を持つ彼らが、その経験をもとにつくられた曲を発表し、当事者や経験者同士の交流と理解を深め、場面緘黙を広く世の中に知ってもらうことを目的とした音楽イベントです。


「場面緘黙経験者発信ライブ かんもくアコースティックライブ」の様子

代表のmananaさんは「場面緘黙経験を持つアーティストたちが自らの企画・出演で音楽イベントを行っています。2016年より始めた当イベントも、昨年で3回目を迎え、たくさんの方にご来場いただきました。今年は場面緘黙をテーマに共同制作したオリジナル曲のCDリリースも予定しています。経験者の私たちだからこそ伝えられるものをしっかり届けられるよう、そしてより多くの方に場面緘黙を知ってもらえるよう、これからも取り組んでいきたいと思います」と語っています。こうした動きを通じて、人知れず苦しみ悩んでいる人たちがひとりでも多く幸せになれる社会になれればと思います。

【参照】
専門家に聞く、場面緘黙(かんもく)について知っておきたいこと
NHKハートネット福祉情報総合サイト2018年9月7日:https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/105/

場面緘黙症Journal
https://smjournal.com/

かんもくアコースティックライブ
https://kanmokulive.jimdofree.com/



<書籍情報>




手島将彦
『なぜアーティストは壊れやすいのか? 音楽業界から学ぶカウンセリング入門』

発売元:SW
発売日:2019年9月20日(金)
224ページ ソフトカバー並製
本体定価:1500円(税抜)
https://www.amazon.co.jp/dp/4909877029

本田秀夫(精神科医)コメント
個性的であることが評価される一方で、産業として成立することも求められるアーティストたち。すぐれた作品を出す一方で、私生活ではさまざまな苦悩を経験する人も多い。この本は、個性を生かしながら生活上の問題の解決をはかるためのカウンセリングについて書かれている。アーティスト/音楽学校教師/産業カウンセラーの顔をもつ手島将彦氏による、説得力のある論考である。

手島将彦
ミュージシャンとしてデビュー後、音楽系専門学校で新人開発を担当。2000年代には年間100本以上のライブを観て、自らマンスリー・ライヴ・イベントを主催し、数々のアーティストを育成・輩出する。また、2016年には『なぜアーティストは生きづらいのか~個性的すぎる才能の活かし方』(リットーミュージック)を精神科医の本田秀夫氏と共著で出版。Amazonの音楽一般分野で1位を獲得するなど、大きな反響を得る。保育士資格保持者であり、産業カウンセラーでもある。

Official HP
https://teshimamasahiko.com/


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