downyの青木ロビンが語る、結成20年目の新たな出発点「常に人とは違うことを」

青木ロビン、43歳を迎えた現在の心境

一そうやってご自分でバンドを続けることによって、得られてるものは?

青木:何ですかね……でもいつからだろう、18歳くらいから音楽がやりたくて、一応音楽を始めるわけですよね。で、オリジナルを作り始めて、downyで言うと7枚もアルバムを出せて。それだけ言えばずいぶん幸せというか。出すきっかけがある、発表するきっかけがあるというのは。んー、何を得ましたかね? なんですかね?

一ものすごく孤高なイメージが昔からあるじゃないですか。どことも関係してない、どこにも所属してない、誰ともツルんでない感じ。それは意識的にそうなったわけじゃなくて?

ロビン:そうですね。ほんとに今でこそまだマシですよ。フェスやったりするんで(『Afterhours』)まだマシなんですけど、ほんとに誰もいなかったんで。

一最近お友達ができてきた(笑)。

青木:最近友達ができ始めたんで(笑)。うん、ものすごい突っぱねてるわけでもないんですけどね。でもホームがないというか。どこの人なのかがわからない、僕が。


Photo by Hana Yamamoto

一downyの音楽は、表面的には変わりつつ全体のイメージは変わらない。にも関わらずだんだん広がってきてるのは、周りが変わってきてるんですかね。

ロビン:うーん……どうなんですかね? 僕らが単純に社交的になったっていうシンプルな話になるのかなと思います。秋山くんも「秋山会」っていうのをやったりして、そういうふうに自分がやってることを別の視点から広げようって。広げるって言葉が適切なのかわかんないすけど、自分たちが中心になって何かを起こしてみようっていう動きをやってみて、まぁ単純にバンド誘うなら連絡しなきゃいけないし、初めての子にも、年が下だろうと電話して「はじめまして。実は『Afterhours』に出てほしいんですけど」とかもやりますし。

一自分で連絡するんですか?

ロビン:自分でやります、僕らは全部自分でやるんで。なんかそういうの、いいなと思う。僕が若い頃だったらそうやって誘ってもらえたら嬉しかっただろうなと思いますし。それをできる歳になって良かったなっていうのはありますね。あとは音楽を続けてるという、プライドみたいなのがどっかにあるんですよ。続けられているというか、続けていくのは大変なことなんで、とっても。やっぱり簡単じゃないんで。

一ロビンさん今おいくつでしたか。

ロビン:43です。

一若い頃は良くも悪くも自分のことしか考えられない。でも40、50を超えてくるとだんだん周りも見えてくるし、周りの人のために自分が動こうっていう気にもなってくる。

ロビン:ありますあります。だいぶそれだと思います。まぁ丸くなったと言うんですかね。わかんないですけど。

一でもdownyはdownyですよね。そういう物分りの良さが音楽に出てるかって言ったら、全然出てない。

ロビン:そうなんすよ。よく話しますけど、沖縄に住んでようと1ミリも沖縄っぽい音楽にならない(笑)。全然ならないですよ。僕夏場なんか毎日海行くくらい海が好きですけど、1ミリもそういうのは出てこない。全然わかんないですよね。でもそれが僕が出す音なんでしょうね。

一ご自分の内面から出てくるものがそうであると?

青木:でも内面もそんなに暗い人間じゃないですからね、今は。昔はともかく。むしろ社交的なほうですしね。なんでなんでしょうね? これは自分でもよくわかんないです。ただ作るときはこうなります、何をやっても。弾き語りもこんな感じになります。とにかく根本にあるのは人と違うことがやりたい、ということ。新しい音楽もそうですけど、聴けば聴くほどやりたいことは狭まるんじゃないですかね。だって(他の人に)既にやられちゃってるわけなんで、どんどんどんどん、隙間産業じゃないですけど。たぶんそういうことなんじゃないかなと自分では判断してるんですけど。

一常に新しいことを、常に人とは違うことを。

青木:そうです。downyのコンセプトはそれかもしれないです。ほんとに。常に。




downy
「第七作品集『無題』
2018年3月18日(水)リリース

TOUR『雨曝しの月』
2020年6月6日(土)梅田Shangri-La
2020年6月7日(日)名古屋UPSET
2020年6月13日(土)渋谷WWW X

アルバム特設サイト:
http://downy-web.com/7/

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