URC50周年ベストから読み解く、あの頃の若者たちは人生とどう向き合っていたのか

・五つの赤い風船「遠い世界に」



これはたぶん70年代フォークの中で最も有名な1曲と言っていいでしょう。五つの赤い風船はURCの主要なグループでした。69年2月の第一回会員向け配布アルバムというのがありまして、片面が高田渡さんで片面が五つの赤い風船という変則アルバムだったんですね。その中に入っていたのがこの曲です。その前68年に、ビクターからこれはシングルでも出ているんですね。愛唱歌として知っている方が多いのは、そういうメジャーで出たということもあるんでしょう。でも、同時にこの曲は、「戦争を知らない子供たち」がそうだったように賛否両論の対象となったりしました。頭脳警察のPANTAさんのように、生ぬるいという意見もあったり、甘っちょろいとか、そういう声もあったんですが、でもやっぱりみんなが口ずさめる歌としてずっと歌われてきました。URCは男性が多いって話をしてきましたが、五つの赤い風船は、西岡たかしさん、藤原秀子さん、中川イサトさん、長野隆さん。この藤原秀子さんの歌声というのもグループの魅力でしたね。で、西岡たかしさんは23歳になるときです。僕たち若者がいるっていうこの僕たち若者っていう、実は、当時もこそばゆい感じもあったんですけど、これが今の23歳の若者たちはどんなふうに感じるのだろうと思いながらお送りしました。

Rolling Stone Japan 編集部

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