URC50周年ベストから読み解く、あの頃の若者たちは人生とどう向き合っていたのか

・ザ・ディランII「君の窓から」



ザ・ディランIIの「君の窓から」をお聴きいただいてます。1972年に発売になりました。1stアルバム『きのうの思い出に別れをつげるんだもの』の中に入っております。さっきの「主婦のブルース」、「ひびけ電気釜!!」が暮らしに煮詰まったり行き詰まったり、ここからどこかに行きたいと思っている人の歌だとしたら、これはさあ窓から出て行こうよという歌、そういう曲順でもあるんですよ。ちゃんとアルバムの中に流れを作ったつもりなので、アルバムとして聴いていただけると嬉しい。配信のように1曲ずつ聴くとアルバムの妙味が感じられませんからね。そういう51曲でもあります。

ザ・ディランIIは、大阪の喫茶店「ディラン」に集まった3人ですね。大塚まさじさん、西岡恭蔵さん、永井洋さんがザ・ディランというグループを作って、そこから恭蔵さんがソロになるために抜けてザ・ディランIIになりました。この曲の詞曲は恭蔵さんですね。恭蔵さんは1999年に50歳の若さで亡くなってしまいました。DISC2が旅の歌を集めたアルバムなんですけど、そうやって旅に出る人、誘われて旅に出る人、自分から旅立つ人、中には追われるように出ていく人というのもいるんではないでしょうか。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE