URC50周年ベストから読み解く、あの頃の若者たちは人生とどう向き合っていたのか

50周年を迎えた会員制レコードクラブURC



・中川五郎「主婦のブルース」



中川五郎さんは大阪の寝屋川高校の3年生のとき高石ともやさんの曲を聴いて音楽に目覚めた。そういう若者だったんですね。この曲は1969年11月に出た1stアルバム『終り・はじまる』の中に入っておりました。この曲を書いたとき、中川五郎さんは20歳になったばかり。団塊の世代ですね。団塊の世代っていうのは、ご両親が戦争に行っているんです。五郎さんのお母さんもそういう戦争体験の持ち主だったんでしょうね。で、息子がベトナム反戦運動とかそういうところに首を突っこんでしまって、家に帰って来ては親に向かって議論を吹きかける。その中で、お母さんが感じていた「私の人生はこれでいいのか。私の幸せは何なんだろうか」という疑問を、息子が代弁しているという歌であります。

・三上寛「ひびけ電気釜!!」



「キンタマは時々叙情的だ。フンドシはときどき政治的だ」。詩人三上寛の面目躍如ですね。「ひびけ電気釜!!」。さっきの「主婦のブルース」の次がこの曲です。今月はアルバム51曲全部、曲順通りにお聴きいただいております。「主婦のブルース」はそういう受験生を持ったお母さんの歌ですが、これは三上寛さんの故郷・青森県北津軽郡小泊村の当時の情景ということでしょうね。三上寛さんは高校の生徒会長だったんです。その傍らバンドをやっていて、詩集も出していた。こういう詩を書いていたんでしょうね。そして地元のヒーローの寺山修司さんに認められて、寺山さんのお墨付きももらっているんですよ。今は日本中が東京みたいですけど、70年代のはじめというのは、全国の田舎が東京化しはじめたときですね。田舎が東京の毒や欲にまみれていく様子が三上寛さんの目にはこういう風に写っていたんですね。72年2月に出たアルバム『ひらく夢などあるじゃなし / 三上寛怨歌集』に入っていました。URCは非商業的な音楽ですからね。商業的な歌では歌えないことがいっぱい歌われているわけで、歌っていけないことなんてないんだ、使っていけない言葉なんてないんだというのがURCの精神でもある。これはパンクロックの原点でしょう。この曲の次、13曲目です。

Rolling Stone Japan 編集部

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