トレント・レズナーが映画『WAVES』オリジナルスコアを担当した理由を語る

31の名曲のプレイリストから構想を得て作られた映画『WAVES』

2020年4月10日より、プレイリスト・ムービー『WAVES』が全国でロードショーで公開される。

『WAVES』は、トレイ・エドワード・シュルツ監督が豪華アーティスト達が手掛ける31の名曲のプレイリストから着想を得て脚本を書いた、全ての曲が登場人物の個性や感情に寄り添うように使用された「プレイリスト・ムービー」。既に多くの映画賞を受賞している気鋭の作品である。



そして、今作のオリジナルスコアを手掛けたのはナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーと音楽プロデューサーのアッティカス・ロス。『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞作曲賞を受賞し、その後も『ドラゴンタトゥーの女』や『ゴーン・ガール』などの話題作を手掛けている。彼らは本作において、登場人物の心情を伝え時にセリフのようにも使われるアーティストの楽曲に対し、メロディーラインを強調しないそぎ落とされたソリッドなオリジナルスコアで感情の微細な動きを巧みに、そしてエモーショナルに浮かび上がらせることに成功している。

サウンドデザインに際し、劇中の効果音やセリフをサンプリングしたりなど、独創的な音楽の制作にも挑戦している。また、フランク・オーシャンなどの名曲と自分たちのスコアを絶妙なアレンジで流れるように繋げているのも彼らの手腕だ。2人がキャリアの浅い若手監督であるトレイのオファーを引き受けたのは、トレイの前作を観て一緒に仕事をしてみたいと思っていたからだそう。トレントは今回のプロジェクトについて、以下のように語っている。

「以前から面白いことをしてるな、一緒に仕事をしてみたいなと思う人たちのリストを作っているんだ。そこにトレイの名前も入っていた。アッティカスも俺も『イット・カムズ・アット・ナイト』が大好きで、何か特別なものがあると思った。それで、デビュー作の『Krisha(原題)』を観て、衝撃を受けたんだ!『WAVES/ウェイブス』の脚本は今までに読んだどんな脚本とも違っていた。読んだ瞬間、これは紛れもなく、適当な仕事でも気楽な仕事でもなく、誰かが心血を注いで作ったもので、この映画にとてつもない時間を費やして興味深いビジョンと全体像を作ったんだと分かった。トレイはまだキャリアが浅いけど本物だ。それに、これに打ち込むのは最高のプロジェクトだったよ!」



<作品情報>

『WAVES / ウェイブス』

公開日:4月10日(金)より 
TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

監督・脚本:トレイ・エドワード・シュルツ(『イット・カムズ・アット・ナイト』)
出演:ケルヴィン・ハリソン・Jr、テイラー・ラッセル、スターリング・K・ブラウン、レネー・エリス・ゴールズベリー、ルーカス・ヘッジズ、アレクサ・デミー
音楽:トレント・レズナー&アッティカス・ロス (『ソーシャル・ネットワーク』、『ゴーン・ガール』)
原題:WAVES /2019年/アメリカ/英語/ビスタサイズ/135分/PG12
公式サイト:https://www.phantom-film.com/waves-movie/
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・ストーリー
傷ついた今日も、癒えない傷も、愛の波が洗い流すー
高校生タイラーは、成績優秀なレスリング部のエリート選手、美しい恋人アレクシスもいる。厳格な父親ロナルドとの間に距離を感じながらも、恵まれた家庭に育ち、何不自由のない生活を送っていた。そんなある日、不運にも肩の負傷が発覚し、医師から選手生命の危機を告げられる。そして追い打ちをかけるかのように、恋人の妊娠が判明。徐々に狂い始めた人生の歯車に翻弄され、自分を見失っていく。そしてある夜、タイラーと家族の運命を変える決定的な悲劇が起こる。一年後、心を閉ざして過ごす妹エミリーの前に、すべての事情を知りつつ好意を寄せるルークが現れる。ルークの不器用な優しさに触れ、次第に心を開くエミリー。やがて二人は恋に落ちるが、ルークも同じように心に大きな傷を抱えていた。そして二人はお互いの未来のためにある行動に出る…。



Rolling Stone Japan 編集部

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