元ZIGGY大山正篤と手島将彦が音楽業界のメンタルヘルスを語る

左から、『なぜアーティストは壊れやすいのか?』著者の手島将彦とZIGGYの元ドラマー・大山正篤



─まさにミュージシャンの大山さんが自ら発信されて、カウンセリングもされているというのは、すごく大きなことだと思います。実際、カウンセリングの申し込みというのは増えているんでしょうか?

大山:東スポでの記事が出てから、問い合わせの数は爆発的に増えました。初対面の時にどの人も言うのが「メールフォームを最初ポチッとするのにすごく躊躇しました」と。予約をした後も「前日までキャンセルしようかずっと悩んでいて、ドキドキしてました」って。そりゃそうだよね、初対面だもんねみたいなことは思うんです。と同時にそこの垣根をもっと下げたい。気楽に大山に話でも聞いてもらおうみたいになるのが、今の課題ではあります。

手島:今大山さんがおっしゃっていることと共通するんですけど、そもそも助けてって言えないから悩んでいるんですよね。そこをどうするかっていうのは、時間がかかるけど世の中がそのハードルを下げることだと思うんです。助けてくださいとか、つらいんですって言える雰囲気の世の中にする。遠回りだけどそれしかないなと思います。もちろん個人的な信頼感とか適切なメッセージは絶対必要なんですけど、今の世の中は、どのフィールドでもそれを言わせない雰囲気があると思うんですよ。今回のように、僕らみたいな人が発信することで、そのハードルがちょっとでも下がったとしたらすごくいいなと思います。

─真面目な人ほど抱え込んでしまいがちというか、弱音を吐いたら負けみたいな風潮がありますよね。

手島:弱音もそうですし、世の中全体が謝ったら負けみたいな雰囲気があるじゃないですか。でも、謝ればいいじゃんと。謝らないからおかしなことになっていく。国のトップもそうかもしれないけど(苦笑)。

大山:悪いことをしたら謝るって子どもの頃に習ってなかったんですかね(苦笑)。

手島:謝れない世の中だから、というのもあるんですよね。謝ったら許してやればいいものを、みんなで袋叩きするから謝れない。相談したらしたで屈辱的な思いをする場合もある。助けてって言ったら、たるんでると言われて説教をされてしまうとか。

大山:ダメですよね。「甘えてるんじゃねー」とか言われたらもうね。

手島:言われるだろうなという雰囲気すら漂っていると思うんですよね。つらいんですって言ったら頑張れって言われるんだろうなと。そういうことじゃなくてさ…… って話なんですけどね。

大山:僕のところに来てくださる方に、「本当によく勇気を出して、コンタクトを取って来てくれましたね」と言うと、泣いちゃうんですよ。つらかったんだなと。本当簡単にカウンセリングの予約ボタンを押しちゃっていいんだよと言っているんですけど、本人の中ではそれが大変なことだったと思うと、もらい泣きしそうになります。それじゃ立場的にまずいので、ポーカーフェイスで頑張っているんですけど(笑)。カウンセリングとは銘打っていますけど、僕と単純にお話しをしてみたいな気持ちでいいと思うんですよ。そうしてくれないと、僕も助けてほしいという声に気がつけないので。

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