ゼイン・ロウが語る2010年代「音楽の環境はより健全になり、人々の意識も変わった」

Apple Musicのラジオ局「Beats 1」でDJ兼クリエイティブ・ディレクターを務めるゼイン・ロウ(Photo by Apple Music)



グローバル化がもたらす可能性「星野源はすごい才能」

ーApple Musicではアメリカやイギリスの音楽だけでなく、アフリカやアジアなど世界各地の音楽も揃っています。コリィ・テイラー(スリップノット)のプログラムでBABYMETALの「KARATE」がかかったとき、Beats 1は文字通りグローバルなラジオ局なのだと実感しました。

ゼイン:まだ始まったばかりだけど、すでに「こんなすごいことってある!?」と言いたくなるような経験をさせてもらっているよ。昔から多くの人々が、世界の遠い地域にもエキサイティングな音楽があるに違いないと探し続けてきたわけだけど、今ではストリーミングにおけるグローバル・ディストリビューションのおかげで、ひとつフリックするだけでそういう音楽を発見できる。誰かに決めてもらわなくてもね。「誰か」というのはレーベルだったり、レコードショップだったり。君も言うように、ストリーミングはグローバルな体験スペースだ。今や世界中からスーパースターが生まれている。日本、韓国、南アフリカ、ラテンの世界、ヨーロッパ全土……フランスではPNLが大成功しているし、日本のBAD HOPが向こう1年間で巻き起こす旋風もすごいことになると思うよ。

(ラテン系の)バッド・バニー、オズナ、J・バルヴィン、アフリカのバーナ・ボーイ、BLACKPINK、オーストラリアのギャング・オブ・ユース――彼らは長いこと、自分たちの国や地域で強力なストーリーを築き上げてきた。それが今や世界のあらゆるところで聴けるんだ。Apple Musicがあれば、どこにでも連れて行ってもらえる、なんでも聴けるんだもの。「世界には他にどんなエキサイティングな音楽があるんだろう?」と僕の好奇心はとどまることがないんだよ。しかも毎週のように、世界中の新しいアーティストに出会える。Beats 1はスタート当初からそれをモットーにしてきた。Apple Musicとともに、全世界の音楽のストーリーをリスナーに提供し、作りあげていこうと。ドメスティックだけでなく、グローバルなレベルでね。

ーこの記事が載る雑誌のカバーを飾るのは星野源です。あなたの番組にもゲストで出演していましたが、彼の音楽についてどう思いますか?

ゼイン:ゲンが日本で大スターだっていうのは以前から知ってたよ。でも新しいEP『Same Thing』を聴いて本当にぶっ飛ばされたんだ。スーパーオーガニズムとの曲は最高だし、「Ain’t Nobody Know」というR&Bっぽい曲もすごくよかった。成功して当然の、すごい才能の持ち主だと思う。ゲンとのケースも、グローバルな体験としてのストリーミングの良い例だ。Apple Music Japanのセンスのいいスタッフが「ゲン・ホシノって知ってる?」と紹介してくれて「いいね!」と話は進んだ。互いに何かをしたいという気持ちが、こういう素晴らしいコラボレーションの場を作ってくれる。(くしゃみ)ごめん、今のは息子。車に乗ってるんだ。ポケモンGOをやってるよ。



ー(笑)。

ゼイン:とにかく美しいコラボレーションさ。ゲンの曲をポスト・マローンとサマー・ウォーカーの間にかけるのは、完全に理にかなっている。こんなエキサイティングなラジオ番組はない、というくらいに。あとはBAD HOPに夢中だよ。ヒップホップが日本人にコネクトし、大きな変革を起こしていると聞いて嬉しいね。さっき君が名前を挙げたBABYMETALも、オルタナティブなグループの中で、最もエキサイティングなライブアクトの一つだと言っていい。

Translated by Kyoko Maruyama

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