米大型展示会SXSW、新型コロナの脅威があるも開催を表明

Anthony WALLACE / AFP via Getty Images

新型コロナウィルスの世界的大流行により数々の大型イベントが中止されるなか、米テキサス州で毎年開催されているテクノロジーとスタートアップ企業の祭典「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)2020」の主催者は「予定通り、SXSW 2020を開催します」と、開催を表明した。

新型コロナウィルスの世界的大流行がグローバルレベルで音楽シーンに影響を与えはじめ、世界中でツアーやフェスが延期されるなか、映画・音楽に関する世界最大級の展示会、サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)は予定通り3月に米テキサス州オースティンで開催することを発表した。

だからと言って、ここまでまったくトラブルがなかったわけではない。SXSWは声明を発表し、新型コロナウィルスが原因で「少数」のキャンセルが発生しているものの、全体としてのキャンセル件数は例年通りであると述べた。同イベントの広報担当者は、オースティン州公衆衛生局が推奨する感染予防対策を講じること、さらには参加者向けの安全ガイドブックに新型コロナウィルスに関するページを追加したことを発表した。

「予定通り、SXSW 2020を開催します」と広報担当者は声明を出した。「安全はSXSWの最優先事項であり、私たちは一年を通じて地域、国、連邦政府関係機関と連携しながら安全なイベント開催を企画しています。とりわけ中国のように渡航が制限されている地域において少数のキャンセルが発生しています。しかし、参加できなかった登録者の数は例年とほとんど変わりません」。

同イベントへの参加をキャンセルした登録者のひとつがChina Gatheringというプラットフォームだ。同プラットフォームは、SXSWを舞台に過去3年にわたって中国の企業家とミュージシャンをつなぐ架け橋としての役割を果たしてきた。China Gatheringは、トレードサミットやミュージックショーケースをはじめとする一連のイベントをキャンセルした。

「2020年の最初の数カ月は苦しい時期でした」とChina Gatheringの創業者兼CEOのヴィヴィアン・フォレスト氏は同社のホームページに掲載された公開文書で語った。「協力し合い、強くあり続けることでこの病気を止める方法を見つけられると心から信じています。より明るく、健康的な未来を願う一方、来年のSXSWにより深く貢献できることを楽しみにしています」。

新型コロナウィルスは、主にヨーロッパとアジアの音楽シーンに大きな影響を与えている。健康上の懸念を理由に、いくつもの音楽イベントが延期されたのだ。数こそ少ないものの、アメリカだって例外ではない。カリフォルニア州ロサンゼルスで毎年行われるアメリカでもっとも有名なK-POPイベント、コリア・タイムズ・ミュージック・フェスティバルは先週イベントの延期を発表し、振替公演の日程はまだ決まっていない。それより先に同州オレンジカウンティで開催予定のOverpass Music Festivalも延期を発表している。

米現地時間2月26日の朝、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)はカリフォルニア州で新型コロナウィルス感染者が発生したことを認めた。別の感染者との接触歴は確認されておらず、アメリカ初のクラスター感染となった。

Translated by Shoko Natori

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