URC50周年3枚組ベストを5週に渡り全曲紹介、あの頃青春だった人たちの遺産を聴く

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鉱夫の悲しみとか辛さとか、それがお偉いさんたちにわかるんだろうか高田渡

・高田渡「ゼニがなけりゃ」



URCは最初、会員制の自主販売組織として始まったんですね。1回目の配布アルバムというのがありまして、片面が高田渡さんで、片面が五つの赤い風船という変則アルバムだったんです。このアルバムはその後に出た69年の最初のフルアルバム『汽車が田舎を通るそのとき』に入っております。この曲を書いたとき、高田渡さん、いくつだったと思いますか? 20歳。先月発売になりました3枚組ベスト『URC 50th ベスト・青春の遺産』全曲紹介。DISC1の5曲目、高田渡さん「ゼニがなけりゃ」でした。

・高田渡「鉱夫の祈り」



DISC-1「人生と暮らしの歌」6曲目、高田渡さん「鉱夫の祈り」。鉱夫というのもこれまた最近聞かない言葉でしょう。地面の下に石炭を掘りに潜る人たちのことですね。戦後の日本の高度経済成長を支えたのが石炭というエネルギーだった。体を張って炭鉱の坑道という洞穴を通ってずっと地下に潜って行って体を張って汗まみれ、泥まみれになって、石炭を掘り当てて、それを地上に持ってくるんですね。サラリーマンも働く人ですが、労働者という意味では、これこそが労働者という仕事をしている人たちですね。高田渡さんは「鉱夫の祈り」、鉱夫の悲しみとか辛さとか、それがお偉いさんたちにわかるんだろうかと。高田渡さんは最後までそういうところから離れなかった。そういう人たちの気持ちをずっと歌い続けた人でありますね。この曲も先ほどご紹介した高田渡さんの1stフルアルバム『汽車が田舎を通るそのとき』に入っていたんですが、このとき高田渡さん20歳なんですね。渡さんも2005年に亡くなってしまいました。次の曲は、彼が、この曲を書いたのは19歳でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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