新型コロナ、米ロサンゼルス開催のK-POPフェスが延期に

韓国の男性アイドルグループNCT 127 (Photo by Anthony Harvey/Shutterstock)

新型コロナウィルスの感染拡大にともなう入国規制・渡航制限により、コリア・タイムズ・ミュージック・フェスティバル(KTMF)の主催者は、米現地時間2月25日にイベントの延期を発表。「今回のイベントを楽しみにしていた方々に深くお詫び申し上げますと共に、何卒ご理解を賜りますようお願いいたします」とコメントを発表。

「誠に残念ですが、アジアを対象とした現在の入国規制・渡航制限にともない、2020年4月25日に予定していた第18回KTMFの開催を延期します」とイベント主催者は声明を発表した。「今回のイベントを楽しみにしていた方々に深くお詫び申し上げますと共に、何卒ご理解を賜りますようお願いいたします」。

アメリカで毎年開催されるK-POPイベントのなかでもとくに有名なKTMFの過去の参加者には、俳優・シンガーのピ(RAIN)、男性アイドルグループSuper Junior、女性アイドルグループRed Velvet、NCT 127といったK-POPスターたちが名を連ねる。2003年に南カリフォルニアで始まったKTMFは、ハリウッドの野外音楽堂“ハリウッド・ボウル”で開催される予定だった。イベントの主催者は振替公演の日程について詳しく言及しなかったものの、希望者には払い戻しを行うと発表する一方、振替公演の希望者はチケットを保管するよう呼びかけた。

新型コロナウィルスの感染拡大によってあらゆる場所で規制や制限が設けられるなか、アジア中のライブイベントが健康問題を理由に延期されている。UKラッパーのSTORMZYは2月の初めにワールドツアーのアジア公演の延期を発表した。2月26日付の米ニューヨーク・タイムズ紙の記事によると、新型コロナウィルスの感染者数はいまや世界中で8万1000人近くなり、3000人近くが死亡している。

新型コロナウィルスが原因で南カリフォルニアのアジア音楽イベントが延期になったのは、今回が初めてではない。ロサンゼルス・タイムズ紙が報じたところによると、上海民族楽団は2月の初めにオレンジカウンティで開催予定の公演をキャンセルした。さらに先週、同じくオレンジカウンティで開催予定だった複数のアジア人アーティストが参加するOverpass Music Festivalも3月から9月26日へと延期を発表している。

「世界各地、とくにアジアから来るゲストたちに配慮すると同時に、今回は人々の健康と安全を守ることが重要であると判断した上でスケジュールを変更しました」とOverpass Music Festivalの主催者は述べた。「COVID-19(新型コロナウィルスによる肺炎)の脅威を封じ、渡航禁止令が解かれ、イベント開催が実現することを期待しています」。

新型コロナウィルスは、とくにアジアのライブ音楽市場に大きな影響を与えている。「しばらくは、誰もがアジアツアーをキャンセルしなければいけない状況です」と2月にロサンゼルスで開催されたコンサート業界向け専門誌Pollstar主催のカンファレンスで、Music Tour Managementのスティーブ・ディクソン氏は米ローリングストーン誌の質問に対してこのように答えている。「誰もが事の成り行きを見守っています。新型コロナの収束を待つ間はアジアツアーができないとなると、ほかの場所でツアーするアーティストが増えるかもしれません。アジアツアーが不可能となれば、北米、南米、ヨーロッパでのツアー活動が盛んになる可能性はあります」。

Translated by Shoko Natori

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