LITTLE主催「LOVE RHYME AWARD 2019」 第1回大賞はZORN「かんおけ」

韻(ライム)とHIPHOPという文化に対し改めて敬意をはらう目的でLITTLEが主催するアワード「LOVE RHYME AWARD 2019」が開催

KICK THE CAN CREWのリーダー&MCのLITTLEが主催する「韻(ライム)」のアワード「LOVE RHYME AWARD 2019」が開催された。

HIPHOPに限らず、短歌や俳句など韻(ライム)とHIPHOPという文化に対し改めて敬意をはらい、恩返しをするために開催された「LOVE RHYME AWARD 2019」。番組用にTwitterでつけられた「#愛韻」を元にLITTLEが作品を選出し、「勝手に」表彰し賞金を贈るスタイルをとっている。ここでは、アワードの様子のオフィシャルレポートを掲載する。



アワードの会場は今現在でも日本のヒップホップカルチャーが発信される街・渋谷、レッドブルホールが選ばれた。この日は「LOVE RHYME AWARD 2019」の前に「愛韻TV」の公開収録が3本実施された。

トークのゲストはヒップホップライターの高木”JET”晋一郎、タサツ(ケツメイシRYO、アルファのTSUBOI、NAM)、RHYMESTER Mummy-D。どのゲストもLITTLEにとっては90年代からHIPHOPシーンをけん引した戦友とも呼べる仲間たちだ。ヒップホップシーンの変遷や日本人がヒップホップを表現すること、好きな韻、など「韻」というテーマを通して、言葉遊びの面白さ、そしてLITTLEの愛にあふれた韻へのこだわりを垣間見ることができた。クラウドファンディングで集まった観客のアワードへの期待も高まる。



ゲストトーク3本の公開収録を終え、いよいよアワードが始まった。

「初めての試みだったので、なにを真似してはじめていいかわからなかった、まずはルール作りからはじめた。ルール作りってものでもないですけど(笑)『愛韻』自体が優劣をつけるものではないので『ベスト●●』と名付けなかった、愛してほしい韻、究極そこですね」

そう語るLITTLEの強い想いが詰まった第1回目のアワードに選ばれた作品が発表された。

「一度きりの人生 1秒1秒死へ 日常に忍び音 霧も切り通して
未知の道を行け 生きろ嬉々として 日々の意味を知れ
木々の幹の威厳 ミリの塵の人間 明日のことなんてsiriも知りもしねぇ
でもまた未来は俺等の手の中 今動いた嫁のお腹」

受賞作は東京の下町葛飾が産んだラッパーZORNの作品「かんおけ」だ。

「『おめでとうございます』、というより『受け取ってくれてありがとうと』言いたい」と笑顔で語るLITTLEの表情が印象的だ。

ZORNは「声がかかったのは昨日の夜、連絡をいただいて調整をして今日きました。これからも韻を愛でていきます。韻の固さは誰にも負けないです。聞いてみてもらえると嬉しいです」と緊張した表情に笑顔がこぼれる。



アワード終了後、LITTLEはこう語る。
「自分のなかで、みんなから愛される韻を自分でも長く踏み続けて、その中でとにかくすごいと思える韻を選んだ。今回はそんな作品に出会うことができた。みんなから頂いたお金をもらってもらえること自体が嬉しい。韻(ライム)はラッパーやヒップホップがやってきたこと。その人たちは韻を踏むのがうまいし、想いも強いし、大きい。今後、違うアートフォームから韻を踏み、とんでもないところから全く違う作品が生まれることになるかもしれない。それは新しいラップになるかもしれないし、ただのライムになるかもしれない。どちらにせよ、今と違うことができる。その時でも韻を愛でているようになっていたいから、縁側でお茶でも飲みながらライムを愛でることができるものになれればいいと思います(笑)」

今後の愛韻家協会の活動に注目だ。そしてこの模様は愛韻TVにて順次配信されるのでチェックしてもらいたい。



<リリース情報>

LITTLE
デジタル限定リリース
『八王子少年〜春よ、来い〜feat.RYOJI』

配信日:2020年3月1日(日)
各種サブスク、ダウンロードサイトにて配信予定。

LITTLE OFFICIAL HP:http://little.vc

愛韻TV (愛韻家協会)
https://www.youtube.com/channel/UCOVp76UEprTpxB0oP0-KKTg/videos

Rolling Stone Japan 編集部

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