メタリカ、ジェイムズ・ヘットフィールドの依存症治療でフェス出演を取りやめ

メタリカのジェイムズ・ヘットフィールド(Photo by Richard Isaac/Shutterstock)

メタリカは今夏に出演予定だったソニック・テンプルとラウダー・ザン・ライフの両フェスティバルへの出演をキャンセルした。理由は昨秋から続くジェイムズ・ヘットフィールドの中毒症状の再発治療のため。

今年予定されているメタリカのライブは、ウェルカム・トゥ・ロックヴィル(5月8・9日)とアフターショック(10月9・11日)を含め全て予定通りに行なわれる予定だ。出演中止の一方で、ヘットフィールドは「ファンに期待していてほしい」と発言。それがセラピーの励みになるのだという。

「健康になるため、そしてその状態を保つための継続的な努力の一部として、重要なリハビリが(フェスが予定されていた)週末に入ってしまっていて、それは動かせなかったんだ」とメタリカのギター・ボーカルは声明文の中で語る。「フェスのチケットを買ってくれていた全てのファンに謝罪したい。今プロモーターと払い戻しの準備をしている所だ。この声明文を出した目的は『申し訳ない』と一人一人に言うためだよ」

メタリカ抜きとなったフェスはいずれも5月15・17日(ソニック・テンプル)、10月18・20日(ラウダー・ザン・ライフ)に開催される予定。ソニック・テンプルのヘッドライナーにはレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、トゥール、スリップノットが決定しており、ラウダー・ザン・ライフのヘッドライナーは依然発表されていない。

「事実として、過去のツアー生活の中で俺は健康面に重きを置いてこなかった。今になって精神的に健康であることが第一だと気付いたんだ」とヘットフィールドは発言している。「みんなは考えるまでもないことだと思うかもしれないけど、メタリカのチームとファンをがっかりさせたくなかった。俺は孤独で、自分の信用をすっかり落としていった。明るい面を見れば、俺のセラピーは上手くいっている。メンタルと、身体的・精神的な健康について気を払うことは絶対に大事なことだ」

昨年9月、メタリカはヘットフィールドが治療を受けることを公表し、オーストラリアとニュージーランドでのツアーを中止した。彼の中毒問題についてはバンドが『St.Anger』を制作していた時期にどれだけ危うい状態にあったかを記録した2004年のドキュメンタリー『Some Kind of Monster』でも示されている。2017年、ポッドキャスト・サイトのジョーローガン・エクスペリエンスにおいてヘットフィールドは15年間酒を断っていると発言していた。

ヘットフィールドがリハビリを受け始めて以来公に姿を現わしたのは先月、ロスで開かれた彼のカスタムカーの展示会のオープニングでのこと。先週にはエディ・マニーへのトリビュートとして「Baby Hold On」をカヴァーするために人前でパフォーマンスも行なっている。メタリカはステージ復帰をチリはサンティアゴで4月15日に決行されるライブで果たす予定。彼らの北米ツアー初回公演は5月1日のノースカロライナ州シャーロットで行なわれる。

「2020年になってから、これまで受けてきた恩恵と、これからの未来が与えてくれるであろう幸運について楽観的に考えられるようになってきている」とヘットフィールド。「去年の9月にリハビリに入って以来、俺の復帰を祈ってくれる全ての人と、みんなからの支援に感謝している。飛んで火にいる夏の虫のように、このキャリアの中で人間としていられることは非常に大変な挑戦であり、難しいことだ。君の理解が治療を助けることになるだろう」

ヘットフィールドの声明全文は以下の通り。


親愛なるメタリカ・ファミリーへ

これを書くのはとても心苦しいけど、今年のコロンバスでのソニック・テンプルとルイビルでのラウダー・ザン・ライフに出演出来なくなったことをみんなに知らせなくてはならない。健康になるため、そしてその状態を保つための継続的な努力の一部として、重要なリハビリが(フェスが予定されていた)週末に入ってしまっていて、それは動かせなかったんだ。フェスのチケットを買ってくれていた全てのファンに謝罪したい。今プロモーターと払い戻しの準備をしている所だ。この声明文を出した目的は『申し訳ない』と一人一人に言うためだよ。事実として、過去のツアー生活の中で俺は健康面に重きを置いてこなかった。今になって精神的に健康であることが第一だと気付いたんだ。みんなは考えるまでもないことだと思うかもしれないけど、メタリカのチームとファンをがっかりさせたくなかった。俺は孤独で、自分の信用をすっかり落としていった。

明るい面を見れば、俺のセラピーは上手くいっている。メンタルと、身体的・精神的な健康について気を払うことは絶対に大事なことだ。

2020年に予定されている他の公演は全て決行することをバンドに課したい。

ステージに戻って、4月に南米のファンのみんなに会えることを楽しみにしているよ。そして、もちろん、シャーロットのエピセンター、デイトナのウェルカム・トゥ・ロックヴィル、サクラメントのアフターショックでもね。それら2つのフェスでは独自のセットリストを採用する予定だ。2020年になってから、これまで受けてきた恩恵と、これからの未来が与えてくれるであろう幸運について楽観的に考えられるようになってきている。去年の9月にリハビリに入って以来、俺の復帰を祈ってくれる全ての人と、みんなからの支援に感謝している。飛んで火にいる夏の虫のように、このキャリアの中で人間としていられることは非常に大変な挑戦であり、難しいことだ。君の理解が治療を助けることになるだろう。

Tlanslated by Sakuno Seike

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