マカロニえんぴつが体現する「カッコよさ」と「ダサさ」のベストバランス

はっとりの洋楽ルーツとは?

―新しい音楽は創作活動の参考にするために掘っているんですか。それとも単純に趣味なのか。

完全に趣味です。アレンジのネタがないから何か探しに行こうっていう気持ちで音楽を聴いたことはないですね。音楽は好きだから聴くものだし、「参考になるからこれを聴け」とか言われると逆に聴きたくなくなります(笑)。

―ああ、わかります(笑)。はっとりさんのルーツがUNICORNだというのはよく知られていると思うんですけど、それ以外にも当時の日本のロックバンドから多く影響を受けているように感じるんですが、いかがでしょう。

あの頃の日本のロックバンドっていうと、すかんちとかジュンスカとかですかねえ。ああいうパンキッシュなバンドからの影響はそんなにないかもしれないです。

―そうなんですね。「恋のマジカルミステリー」とか曲のタイトルからしてオマージュを感じるものがいくつかありますけど。「two much pain」なんてTHE BLUE HEARTSだし。

ああ、THE BLUE HEARTSも好きですね! だけど、むちゃくちゃ聴いてるのはUNICORNかな。あとは洋楽かもしれない。ウィーザーとか90年代パワーポップが好きです。あとは、トラヴィスとかアッシュとか。メロディがいいと好きになります。

―ビートルズやオアシスみたいな王道も好きですよね。

そうですね。そこにさらにひとクセある感じが好きです。

―その一方で、イエスのようなプログレバンドの名前を挙げているインタビューを拝見したことがありますよ。

イエスは完全に親父が好きで、その影響で聴いてました。

―はっとりさんのお父さんはバンドマンだったんですよね。

そうです。なので、ハードロックは完全に父親からの影響ですね。もともとギタリストになりたかったので、マイケル・シェンカーとかレインボー、ディープ・パープルを聴きながらギターの練習をしたし、ライブ映像も教材として観てました。ギターの壊し方を勉強したり(笑)。

―あはは!

「そうか、ギターは叩きつけるんじゃなくて、ヘッドから落としていくのか。たしかにこのほうがギターとしては屈辱的だろうな」とか(笑)。そういうところでギターのよっちゃん(田辺由明)とは話が合うんですよ。彼はハードロック畑出身なので。

―はっとりさんのなかで好きになる音楽に共通するものって何かあるんですか。

こういうのは感覚的なものだから言葉で説明するのは難しいんですけど……好きな泣きのコード進行があって、そこを踏んでこられるとグッときますね。あとは歌詞のフレーズですかね。洋楽は歌詞がわからないので、メロディラインとコード進行が中心になるんですけど、アレンジがカッコいいと好きになったりします。

―なるほど。

ロックバンドの場合は、ライブがイメージできるようなアレンジが好きです。「もっと派手にできるはずなのに、ここはギター1本なんだ!」みたいな音源を聴くと熱くなりますね。昔は派手なアレンジが好きだったんですけど、自分でバンドの活動を重ねるうちに、「あえてやりすぎないカッコよさもロックバンドにはあるよな」と思うようになりました。

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